研究課題/領域番号 |
21K17201
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
井上 真紀 九州歯科大学, その他部局等, 助教 (30882667)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 歯周病 / 簡易検査 / 免疫クロマトグラフィ / 歯周病原性細菌 / 炎症性メディエーター |
研究開始時の研究の概要 |
企業歯科健診をはじめ、成人歯周病検診の極めて低い受診率の原因として、歯科検診に係る時間が長いことに加え、現行の歯周病検査が、再現性の乏しい歯科医師の主観的判断に基づいていることが挙げられる。そのため、簡便かつ科学的根拠に基づいた歯周病検査方法が強く求められている。 本研究では、企業と共同開発した歯周病原性細菌特有の酵素活性の測定キットを用いて、就業者を対象とした歯周病検査を行い、同キットの成人就業労働者に対する検診としての有効性を検証するとともに、歯周病の重症化予防に資する歯周病検診方法の確立を目指す。併せて新たな検査法として、生体分子を標的とした歯周病検査キットの開発を展開する。
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研究成果の概要 |
歯科健診において簡便かつ科学的根拠に基づいた歯周病検査方法が強く求められている。本研究では、新たに開発した歯周病原細菌特有の酵素活性の測定キットの有効性を検証した。すでに同測定キットの検査結果は、従来の歯周ポケット検査と相関することが確認されている。そこで被験者数を増やし、1000名以上より採取した舌苔拭い液を対象とした検査を行った。その結果、測定キットのスコアは、歯科医師による従来の歯周病検査結果と相関することが示され、特に重度歯周病については、優れた判別能を示した。さらに、他施設就業労働者における全身的パラメータと突合させた解析では、歯周炎患者において腎機能が低下していることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病患者数は増加傾向にあり、 医療や介護の現場で大きな問題となっている。このような社会的状況のなか、平成28年の 「国民健康・栄養調査」において、過去1年の歯科検診受診者は52.9%であり、歯周病の患者数の推移を考えると十分な対応とは考えにくい。開発した歯周病検査キットの使用は、 口腔検査が実行できない大規模集団に対する歯周病検査法として有用性が高く、将来的には、 歯周病および関連する全身状態についての研究展開のため、費用対効果の高いスクリーニン グを可能にすると期待される。加えて、生体分子を標的とした検査法の確立により、生体反応を含めたより精度の高い歯周病検査の遂行が可能となる。
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