研究課題/領域番号 |
21K17515
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
檜森 弘一 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 研究員 (70896571)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 多発性筋炎 / オートファジー基質タンパク質 / 運動療法 / オートファジー基質 / 持久性運動 / オートファジー / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
多発性筋炎は、骨格筋に炎症が生じる自己免疫性疾患であり、酸化ストレスが増大することで筋力が低下する。骨格筋の機能と量の減少は、生活の質の低下と医療費や介護負担を増大することから、多発性筋炎を軽減する方法の開発は重要な課題である。近年、多発性筋炎を軽減する効果的な方法として運動療法が注目を集めており、その有効性が報告されつつある。しかしながら、その分子機構は未だ不明な点が多い。そこで本研究では、運動により活性化されるオートファジー関連タンパク質に着目し、運動はこれらの発現を調節することにより骨格筋の抗酸化物質を増加し、酸化ストレスを抑制することで多発性筋炎を軽減すると仮説を立てこれを立証する。
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研究成果の概要 |
本研究は、運動により活性化されるオートファジー基質タンパクp62の新たな機能に着目し、運動による多発性筋炎の軽減に対するp62の役割を検証した。多発性筋炎の実験動物モデルである実験的自己免疫性筋炎(EAM)マウスに走行運動を負荷した結果、p62のリン酸化を増大したが、EAMによる筋量や筋力の低下は改善せず、持久性運動能力の低下のみが改善した。さらに筋特異的p62欠損および野生型マウスにEAMを誘導し走行運動を負荷した結果、両遺伝子型で持久性運動能力が改善し、その程度に違いはなかった。したがって、走行運動はEAMマウスの持久性運動能力を改善するが、その改善にp62は関与しない可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、多発性筋炎患者に対する運動療法は、筋炎症状の増悪を危惧し敬遠されてきた。しかしながら近年、欧米諸国を中心として、多発性筋炎患者に対して急性期から運動療法を実施し、筋炎症状の増悪なしに筋力低下を抑制する臨床データが蓄積されつつある。しかし、この分子メカニズムは未だ不明な点が多く、実際の臨床現場において多発性筋炎患者に対して積極的な運動療法を実施するには至っていない。本研究は、運動による多発性筋炎の軽減メカニズムを解明し、科学的根拠を創出することで、当該患者に対する効果的な運動療法の確立に寄与することが期待される。
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