研究課題/領域番号 |
21K17524
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2022-2023) 国立研究開発法人情報通信研究機構 (2021) |
研究代表者 |
谷口 星来 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(PD) (00894370)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | すくみ足 / パーキンソン病 / 脳機能 / Dynamic Causal Modeling / リハビリテーション / Dynamic causal modeling / Freezing of gait / 脳内ネットワーク / fMRI |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病の主な運動障害の1つにすくみ足がある.これまでのメカニズム解明の試みでは,局所的な脳活動や結合を「静的」脳モデルとして説明したが,刻々と変化するすくみ足を治療するためには,従来の「静的」脳モデルではなく,大局的なプロセスを含んだダイナミックな脳活動という側面から病態を捉え直す必要性がある(「動的」脳モデル).さらに,すくみ足は根治的な治療法が無いため,リハビリテーションへの期待が高い.そこで,本研究は大規模な脳機能研究により,すくみ足の原因となる脳活動の動的パターンを突き止め,「動的」脳モデルを構築した上で,リハビリテーションの新規治療法を提案する.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、パーキンソン病患者のすくみ足の原因となる脳内ネットワークを突き止め、構築したすくみ足の脳モデルを基に治療法を提案することであった。spectral dynamic causal modelingを用いて、新たに2種のトップダウンのeffective connectivityと1種の独立したself-inhibitory connectivityを特定し、モデルを構築した。本結果は、神経刺激やその他の介入によって左背外側前頭前野から両側の中脳歩行誘発野へのeffective connectivityを調節することが、パーキンソン病におけるすくみ足の程度を軽減し得ることを示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、データ駆動型アプローチを用いて、すくみ足の脳内メカニズムとなるeffective connectivityを特定した初めての研究となった。本研究の成果は、左背外側前頭前野の脳活動を調節することで、すくみ足に関与する両側の中脳歩行誘発野の機能を正常化できる可能性を示した。この結果は、すくみ足の脳内メカニズムの解明に寄与するだけでなく、治療のターゲットとなる脳領域を明らかにした点でも意義深い。
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