研究課題/領域番号 |
21K17674
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
上原 優子 (寺島優子) 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, NIPSリサーチフェロー (80570316)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 代謝 / 骨格筋 / 神経変性疾患 / 視床下部 / タンパク質代謝 / 神経科学 / 栄養学 / アミノ酸 / ドーパミン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、脳内のドパミンニューロンが骨格筋のアミノ酸代謝調節に作用を及ぼすかを明らかにするものである。ドパミンニューロンCre(Cre recombinase)発現マウスに、DREADD法 (Designer Receptors Exclusively Activated by Designer Drugs)を用いて特定の神経細胞におけるシグナリングを操作し、中脳黒質緻密部(SNc)及び腹側被蓋野 (ventral tegmental area, VTA)が、視床下部腹内側核 (VMH)-交感神経系を介して、骨格筋タンパク質へのアミノ酸取り込みに及ぼす効果を調べる。
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研究成果の概要 |
本研究では骨格筋のタンパク質代謝調節作用に及ぼすVMHの役割をHyperinsulinemic-euglycemic clamp法に放射性同位体アミノ酸(L-[14C(U)]-Phenylalanine, [14C]-Phe)トレーサー法を併用して調べた。その結果、VMH-SF1ニューロンの活動を亢進させると、骨格筋のインスリンシグナルを介してタンパク質の分解を抑制した。さらに、VMH-SF1ニューロンの活動を抑制させると、骨格筋、肝臓、心筋のタンパク質合成を低下させた。VMHは末梢組織のタンパク質代謝回転の調節に関わることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨格筋の減少は、筋タンパク質の分解が合成を上回り、その結果、タンパク質のバランスがマイナスにな ることで起こり、この原因は加齢、栄養、運動、様々なホルモンによって変化することが明らかとなっている。さらに近年、神経疾患とサルコペニア発症率には関連があるとされ、脳、神経系の異常が骨格筋減少に関わることが示唆されている。しかし、脳のどの領域が、骨格筋など末梢組織の蛋白合成を、どのように調節しているかは、ほとんど分かっていなかった。本研究は、視床下部腹内側核が骨格筋のタンパク質代謝に寄与していることを明らかにし、サルコペニアなどの加齢によって引き起こされる筋力低下のメカニズム解明につながる成果である。
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