研究課題
若手研究
本研究は、高齢者糖尿病を対象とした24か月間の前向き観察研究によって、持続血糖モニタリングを用いて評価した血糖異常が、拡散尖度画像 (Diffusion Kurtosis Imaging: DKI) を用いて評価した脳微細構造、認知機能に及ぼす影響を明らかにする。加えて、血糖異常に関連する生活習慣要因を明らかにすることで、高齢者糖尿病に合併する認知症を予防するための介入手段開発の基礎的データを得る。
本研究の目的は、高齢者糖尿病を対象とした24か月間の前向き観察研究によって、持続血糖モニタリングを用いて評価した血糖異常 (血糖変動、高血糖や低血糖の持続時間) が、拡散尖度画像 (Diffusion Kurtosis Imaging: DKI) を含む頭部MRI画像を用いて評価した大脳白質や灰白質の微細構造や認知機能に及ぼす影響を明らかにすること、加えて、血糖異常に関連する高齢者の生活習慣要因を明らかにすることである。2023年度は、研究計画に沿って対象者の2年後の追跡調査を行った。また、グルコース値の適正域 (70~180mg/dL)、高血糖域 (>180 mg/dL)、それぞれが測定期間に占める割合である%Time in range (TIR)、%Time above range (TAR)が1年後の認知機能低下と関連することをまとめた論文が、国際誌 (Diabetes Obesity and Metabolism) に採択、掲載された。脳画像解析については、全脳の88カ所の灰白質、白質にROIを設定し、89名のベースライン時のDKI画像からMean Kurtosis (MK) 値を算出した。血糖モニタリング指標とMK値との関連を検討したところ、%TARが前方錘状束、脳梁などを含む白質線維のMK値と負の相関を示した。また、%TIRおよび%TARが脳小血管病、特にラクナ梗塞および血管周囲腔の拡大と関連することを明らかにした論文が、国際誌 (Diabetes Obesity and Metabolism) に採択された。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 2件)
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