研究課題/領域番号 |
21K17706
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
柴田 将拡 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (10806095)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自律分散システム / モバイルエージェント / g-部分集合問題 / 均一配置問題 / 動的ネットワーク / 自律分散ロボット群 / 自律分散ロボット / 個体群プロトコル / 平均次数 |
研究開始時の研究の概要 |
モバイルエージェントはネットワーク内を自律的に移動するソフトウェアを指し、ネットワーク整備などへの適用が期待できる。研究代表者はこれまでにモバイルエージェント間の協調動作を実現するg-部分集合アルゴリズムや均一配置問題アルゴリズムを設計してきた。これまでは簡単のためにネットワーク構造が変化しない静的ネットワークを主に対象としたが、端末の移動や通信リンクの不調が発生する実際や将来のネットワークへの適用を考えると、構造の動的な変化への対応が不可欠である。そのため、特に本研究では接続が一時的に不安定になる状況下でもモバイルエージェント協調動作を実現する手法の確立を行う。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、ネットワーク中を自律的に移動するモバイルエージェント(以下、エージェント)間の協調動作を、ネットワークの構造が動的に変化する状況下でも正しく実現させるようなアルゴリズムの設計を目的とする。 2022年度は均一配置問題・g-部分集合問題・探索問題を解決するアルゴリズム設計に取り組んだ。均一配置問題は、ネットワーク中に分散している複数体のエージェントが等間隔に配置するような自律的な移動を要求する問題である。この問題を 1-interval connected ring と呼ばれる、各ラウンドで高々1辺が消失しうるようなリング上で考察し、問題の可解性やアルゴリズムの性能を解明した。結果として、エージェントがノード総数の前提知識を持っている場合の方が、エージェント総数の前提知識を持っている場合よりも効率的に問題を解決できることを示した。この結果は論文誌に採録された。 g-部分集合問題は、エージェントがg体以上ずつのグループに分かれて集合するような自律的な移動を要求する問題である。この問題を、各行リング・列リングが1-interval connected ringで表現されるようなn×nトーラス上で考察し、問題の可解性やアルゴリズムの性能を解明した。結果として、エージェント数がgnよりも少ない場合は問題は解決不能であることを示し、エージェント数がおよそ2gn+6nよりも大きい場合は最適な移動数(コスト)で問題が解決可能であることを示した。この結果は国際会議に採択され、現在は発表の準備中である。 探索問題は各ノードが少なくとも1回はエージェントに訪問されるような移動の設計を要求する問題である。この問題をT-interval connected grid という動的グリッド上で考察し、問題が解決可能となるTの条件を解明した。この結果は国際会議へ投稿準備中という状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述のような、動的ネットワーク上でエージェント協調動作を実現させるアルゴリズム設計に関する成果を継続的に出せていることから、進捗は順調であるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
対象の動的トポロジをグリッド・トーラス・ハイパーキューブ・正則グラフ等の規則的なトポロジとしたときに、エージェントの均一配置問題・g-部分集合問題・探索問題等の問題を解決するアルゴリズムの設計に取り組み、問題の可解性とトポロジが持つ平均次数等の特徴との間の関係を解明する予定である。
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