研究課題/領域番号 |
21K17854
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
坂井 美佳 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (50786522)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | がんゲノム医療 / がん遺伝子パネル検査 / Germline Findings / 遺伝性腫瘍 / 遺伝カウンセリング / バリアント情報共有システム |
研究開始時の研究の概要 |
近年がんゲノム医療が実用化され、2019年6月にはがん遺伝子パネル検査が保険収載された。がん遺伝子パネル検査では、がん治療に役立つ情報が得られることに加え、腫瘍ゲノム情報から生殖細胞系列病的バリアントが疑われるバリアント(Presumed Germline Pathogenic Variant:PGPV)を見出し、遺伝性疾患を絞り込むことができる。しかし、がん遺伝子パネル検査からの遺伝性疾患絞り込み戦略は確立していない。 本研究ではがん遺伝子パネル検査実施症例を対象とし、匿名化されたバリアントリストと臨床情報を収集し、「真に遺伝性疾患の診断に結び付いたPGPV」のデータベースを構築する。
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研究成果の概要 |
がん遺伝子パネル検査で検出された「腫瘍ゲノム情報から生殖細胞系列病的バリアントが疑われるバリアント(Presumed Germline Pathogenic Variant:PGPV)」のデータベースを構築した。がん遺伝子パネル検査実施1079例のうちPGPVが検出されたのは約7%であった。一方、PGPV検出例のうち遺伝カウンセリング受診率は半数以下と低かった。その理由として、全身状態不良、結果説明前の死亡、患者自身が遺伝情報を知ることに興味がないことが挙げられた。この結果から、遺伝カウンセリング受診までのアクセスの円滑化や患者への遺伝に関する教育が重要であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん遺伝子パネル検査にはがん関連遺伝子が多く搭載され、がん診療を契機とした遺伝性疾患の診断の機会は今後急増すると考えられる。本研究は、表現型や家族歴から遺伝性腫瘍を絞り込む従来の方法では疑われない患者において「真に遺伝性疾患の診断に結び付いたPGPV」のデータ集積の一助になるとともに、医療者が安全に効率的に腫瘍ゲノム情報から遺伝性疾患を絞り込める環境づくりの手助けとなると考えられる。
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