研究課題/領域番号 |
21K17895
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
哈 布尓 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 助教 (80749060)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 水銀 / 水俣条約 / 環境影響評価 / 物質フロー分析 / シナリオ評価 / 水銀排出動態 / 人為的排出 / 環境影響 / 物質フロー / 有効性評価 / 水銀制御技術 |
研究開始時の研究の概要 |
水銀に関する水俣条約(以下、水俣条約)は日本国政府の主導で採択された。締約国において、条約の着実な履行のためには、様々な技術及び制度を複数組み合わせて対策を講じていくことが求められている。これらの対策の有効性を評価するには、現状(条約発効後)と過去(条約発効前)の水銀挙動の変化を考慮したものでなければならない。本研究では人為的活動下での挙動を定量的に把握し、ライフサイクルアセスメントの観点から水銀排出による環境影響を評価し、水俣条約の履行を含む将来の水銀排出削減シナリオを定量的評価することが条約の有効性評価に貢献することが望まれる。
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研究成果の概要 |
本研究では、特に人為的水銀排出が多い中国を対象にすべての人為的水銀発生源の定量評価及び特定分野(採掘・燃焼部門)の詳細解析を行った。また、水俣条約を履行する為の対策プロセス等の導入に伴う環境への影響を定量化した。中国、マレシーアと日本を対象に、すべての人為的排出源からの水銀排出による環境影だけではなく、個別の排出源による環境影響も明らかにした。最後に水俣条約の履行を含む将来の水銀排出削減シナリオを定量的に描いた。特にマレシーアと中国のシナリオごとの水銀削減ポテンシャルを評価した。将来の研究では、これらの排出制御措置を適用するための経済的・社会的および技術的な側面からの評価が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水俣条約の締約国会議(COP)において、本条約の有効性評価に関する枠組みが検討されており、早い段階で条約の有効性評価を実施する必要がある。本研究でのアウトプットは、条約の有効性評価に対し強力なエビデンスを提供できるポテンシャルを持ち、日本が条約のイニシアティブをとることに貢献する。水俣条約の有効性評価のための対策の意義や検討に資する科学的知見を提供する。本研究全体から得られた成果を、水俣条約の有効性評価枠組み策定や同条約の有効性向上に資する施策へ反映できる。得られた本研究の成果には学術的な貢献が期待できるとともに、廃棄物管理、環境負荷低減と循環型社会創生への社会的効果が大きい。
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