研究課題/領域番号 |
21K17913
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高科 直 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (30855242)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 生物多様性 / 生態系保全 / 数理モデル / 絶滅リスク / 保護区 / 生態系 / 絶滅 / 保全 / マクロ生態学 / グローバルスケール |
研究開始時の研究の概要 |
地球規模で生物多様性の減少が進行している。生物多様性の減少は,種や遺伝的多様性の損失のみならず,それに伴う外来種侵入や感染症リスク増大など甚大な社会・経済的損失をもたらす。生物多様性保全は喫緊の課題であり,そのための現状理解・将来予測が欠かせない。一方,昨今の地球規模に及ぶ生物多様性保全の要請を満足するような理論的枠組み構築は十分に達成されておらず,人間活動が生物多様性に及ぼす影響評価を限定的なものにする。本研究では地球規模の生物多様性保全を念頭に置きグローバル生態系モデルを構築する。またこれを応用し地球規模における生物絶滅リスク評価・予測をするための理論的枠組みを構築する。
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研究成果の概要 |
生息地破壊は地球規模で生じる環境問題であり,その保全を議論する上でマクロ生態学が対象とするような広大な空間スケールでの議論が欠かせない。本研究では,マクロ生態学の知見を援用し地球規模の生態系のパターンを記述し,また土地利用動態と組み合わせることで,地球規模で起こりうる生物多様性損失の定性的パターンを調べた。その結果,幅広いシナリオのもとで,単位土地改変面積当たりの絶滅リスクが土地利用の進行とともに増大していくというパターンが示された。一方,保護区の導入には絶滅リスクを効果的に減少させることができ,特に早期の導入であるほどより高い保全効果を発揮することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
年々その甚大さを増す生物多様性の損失は持続可能な社会構築のために解決するべき最重要課題の一つである。本研究では,生態学の長年の研究対象である種の絶滅リスクを,土地利用動態と組み合わせることで社会生態システムの枠組みで議論し,その性質をマクロスケールにおいて包括的に捉えようという試みである。 本研究で得られた知見は,地球規模で進行する生物多様性損失に関するより深い洞察を与え,また保護区が生き物の絶滅リスクを減少させる効果を明示的に議論したことで生物多様性の保全戦略を考える上で重要な示唆を与えると考えられる。
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