研究課題/領域番号 |
21K17999
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
内藤 雅之 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 計測・線量評価部, 研究員 (30778147)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 焦電結晶 / X線発生器 / 能動型X線分光計 / 焦電型X線発生器 / 焦電効果 / 蛍光X線分析 |
研究開始時の研究の概要 |
能動型X線分光計AXSは月着陸探査向けの元素分析装置として開発されている。焦電X線発生器PXGは強誘電体が温度に依存して電気分極を自発的に変化させる焦電効果を利用したX線源であり、AXSの一部である。PXGは従来のX線管と比較して小型・軽量が特徴だが、発生する加速電子の発生機構が不明確で、X線の強度と安定性が低いことが問題である。本研究では近年発見された酸化チタン半導体のショットキー接合部に生じる焦電効果をPXGに適応することで電子発生の物理過程を明らかにするとともに、PXGの小型・軽量化とX線の高強度・安定化を狙う。
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研究成果の概要 |
焦電効果は温度変化に依存して物質表面に自発分極を生成する現象で、X線発生に利用できることが知られているが、その詳細な物理過程は明らかになっていない。近年、酸化チタン化合物半導体と金属のショットキー接合部で高い焦電効率を示すことが明らかになった。本研究ではNb添加BaSrTiO3とAuの接合(Au/Nb:SBTO)間に生じる焦電効果による真空中のX線発生について実験的に調査し、電子発生過程の解明を目指した。Au/Nb:SBTOを約1 Paの真空に封入して温度変化させ、近傍に設置したSi検出器でX線発生量を測定した。結果として、Au/Nb:SBTOによる焦電効果ではX線の発生は確認できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
焦電効果による自発分極は高い電圧を簡便に得る手法として有用であり、その基礎原理の追求を目的としている。したがって、X線発生装置のみでなく高電圧を利用する広い分野への発展が考えられる。本研究ではその詳細までを明らかにするのに十分なデータは得られなかったが、その一端となる実験を取得することができた。将来的にその全容が明らかになれば、高電圧装置の小型・軽量化などに貢献することが予想される。
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