研究課題/領域番号 |
21K18039
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三浦 静 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (80822494)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ダイレクトリプログラミング / 腸前駆細胞 / 腸 / 前駆細胞 / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
近年、我々はヒト臍帯静脈内皮細胞に4つの遺伝子を導入することで、直接、腸前駆細胞への運命転換を誘導し、誘導腸前駆細胞(iFIPCs)を作製することに成功した。iFIPCsは、生体由来の腸前駆細胞と同様の性質を有し、大腸炎モデルマウスに移植すると大腸組織を再構築できる。一方、ヒトiFIPCsは臍帯静脈内皮細胞から作製されるため、個人の遺伝的背景がなく、免疫拒絶の問題がある。そこで本研究では成人の血液由来の細胞からiFIPCsの作製を試みる。自分自身の血液由来のiFIPCsを作製できれば、遺伝的背景を有し、免疫拒絶反応のない腸前駆細胞を作製することが可能になり、創薬研究や移植に大きく貢献できる。
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研究成果の概要 |
本研究では血液由来の細胞からの誘導腸前駆細胞(iFIPCs)の作製を目的とした。この研究を始めるにあたり、これまでの方法で作製したiFIPCsは培養下で腸幹細胞(ISCs)へと成長することができないという問題が残されていた。血液由来の細胞を作製するためにはまずこの問題の解決が必要である。そこで、新たな方法を確立した。その結果、作製したiFIPCsは培養下で陰窩―絨毛様構造を有するオルガノイドを形成できた。このオルガノイドはLGR5陽性の腸幹細胞や腸の分化細胞も含んでおり、長期間維持できることが明らかになった。このことから、誘導腸前駆細胞は培養下で誘導腸幹細胞へと成長できることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で確立した新たな誘導方法は、血液由来の細胞を実際に医療で利用するための基盤技術となり、大変重要である。これまでの方法でiFIPCを作製した場合、生体由来の細胞と非常によく似た細胞の作製は不可能であったかもしれない。しかし、今回開発した方法を用いることで血液からの誘導をスムーズに行うことができる。自分自身の血液の細胞からiFIPCsを作製できれば、自身の遺伝的背景を有し、かつ、免疫拒絶反応のない腸前駆細胞を作製することが可能になり、創薬研究や移植に大きく貢献できる。
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