研究課題/領域番号 |
21K18061
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 大阪大学 (2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2021) |
研究代表者 |
高野 温 大阪大学, 大学院工学研究科, 招へい研究員 (30883657)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 培養環境制御 / 3次元培養システム / 3Dバイオプリンティング / キューブ培養器 / 細胞初期配置 / オルガノイド / 形態形成メカニズム / 初期配置制御 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで,生体外で3次元的につくられた臓器(オルガノイド)の培養においては,ミリメートルサイズのイメージングとゲル内での制御性を同時に満たす実験系が限られ,この分野の発展を阻害していた.そこで本研究ではキューブ培養器内に細胞とハイドロゲルを3次元空間配置する制御系とそのキューブ培養器を多面撮影して3次元培養像を取得する計測系を構築する.制御により均一な条件での培養が可能になるため再現性が高く,一方で細胞の配置変更による摂動が容易となるとともに,多面観察によりオルガノイドの3次元画像を高精細に得られるため,オルガノイドの形態形成メカニズムを解明する新しい手法として期待できる.
|
研究成果の概要 |
生体内の組織あるいは臓器に似せたミニ臓器(オルガノイド)の作製に使われるハイドロゲル対して,細胞の3次元配置制御と培養した細胞組織の3次元計測が両立可能な培養システムを構築した.立体組織の計測性に優れるキューブ培養器に充填したハイドロゲル中に形成したすきま空間に細胞を配置する方法を確立したことで,3次元培養する際の細胞初期配置の制御性が向上した.本培養システムを用いてキューブ培養器内に配置制御された細胞から立体的な細胞組織をつくり,その細胞組織の3次元計測を達成した.本培養システムは,細胞とハイドロゲルの配置条件と細胞挙動の解析ができるため,オルガノイドの形態形成メカニズムの解明に貢献できる.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では,3Dバイオプリンティング技術とキューブ培養器を使用した計測技術を融合させることで,3次元培養空間に対して設計自由度が高い形状に細胞を配置制御できるだけでなく,培養した細胞組織の計測も実施できる培養系の構築を達成した.これにより,適切な培養系が不足してこれまで着手困難であった,ハイドロゲル中の細胞挙動の計測,解析によるオルガノイド形態形成メカニズムの解明に取り組むことが可能になる.今後,形態形成メカニズムが解明され,細胞とハイドロゲルをどう配置するかのいわばオルガノイドの設計論に応用展開できれば,将来的に本物のようなオルガノイドを人工的に設計して作製する方法の創出が期待できる.
|