研究課題/領域番号 |
21K18295
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小田 裕昭 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (20204208)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
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キーワード | スクロース / フルクトース / 脂肪肝 / 高中性脂肪血症 / 腸内細菌叢 / メタボリック・シンドローム |
研究開始時の研究の概要 |
世界中の肥満、メタボの急増が、スクロース・フルクトースの過剰摂取にあることが最近明らかになった。従来フルクトースが「肝臓」に素早く流れ込み、肝脂質や血中脂質が増加すると説明されてきた(旧パラダイム)。フルクトースによる脂肪肝、高中性脂肪血症は、「やせ型」メタボのモデルでもある。申請者は、フルクトース代謝の中心臓器は、消化管であり、腸内細菌が重要であることを示してきた(新パラダイム)。本研究では、新パラダイムを確立して、メタボ予防と生化学の教科書を書き換えることを目標とする。
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研究成果の概要 |
世界中で急増する肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病が、スクロースの過剰摂取によることがわかってきた。私達は、小腸がフルクトースの主要な代謝場所であり、溢れたフルクトースが大腸で腸内細菌叢を変化させた結果として脂質代謝異常が起きるという新しい仮説を提案した。 本研究では、スクロースの毒性に関与する5つの腸内細菌を絞りこんだ。このことから、腸内細菌叢を変化させる脂質代謝異常が軽減される可能性が考えられ、浸透圧調節物質、フルクトオリゴ糖、食物繊維を検討した。いずれも腸内細菌叢を変化させて、スクロース毒性を軽減させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、世界を代表する生化学の教科書が半世紀にわたり不正確であったことを明らかにすることができ、私達が提唱する新しいパラダイムを、生化学の教科書に書き加えるための確かなデータを提供する事ができた。 日本人に多いやせ型メタボのメカニズムを明らかにすることができた。従来の肥満から糖尿病になるというものなく、日本人に多いやせ型メタボのメカニズムは、スクロースによる脂質代謝異常によることが推測された。 スクロース・フルクトース毒性、ならびにやせ型メタボの対処法が、腸内環境のプレバイオティクス、プロバイオティクスによる操作であることを示すことができた。
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