研究課題/領域番号 |
21K18356
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田村 容子 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (10434359)
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研究分担者 |
越野 剛 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 准教授 (90513242)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 中国文学 / ロシア文学 / 表象 / バレエ / 社会主義文化 |
研究開始時の研究の概要 |
中国において文化大革命(1966-76年)時期に作られた革命現代バレエは、中国共産党による革命の物語を、民族様式を取り入れたバレエで表現する舞台芸術である。本研究では、この革命現代バレエを中心に、ソ連と中国の社会主義をテーマとした舞台芸術・映像・文学に見られる身体表象を分析する。 本研究の挑戦的研究としての意義は、視覚と聴覚の芸術である舞踊を対象とし、中国とソ連を複眼的に見ることにより、両者の間の「身体表象のインターテクスチュアリティ」を明らかにする点にある。
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研究実績の概要 |
令和4(2022)年度、研究代表者は、前年度に引き続き、中華人民共和国における舞踊史を再検討した。とくに、文化大革命時期から1980年代にかけてのバレエ上演について調査し、同時期を体験したバレエダンサーの自伝回想録である、李存信『毛沢東のバレエダンサー』 の解題を発表した。 また、1950年代から60年代にかけて、革命をテーマとする文学とバレエにあらわれる「家族」「母親」「女性」のイメージに関する研究に着手した。研究成果として、「馮徳英『苦菜花』 1950年代中国社会主義プロパガンダ文学における母親像 」と題する口頭報告を、慶應義塾大学で開催された研究会でおこなった。さらに、「革命現代芭蕾舞劇中的女性形象:重構的家庭和母親的缺位」と題する口頭報告を、香港中文大学で開催された国際学術シンポジウムでおこなった(ハイフレックス形式)。 そのほか、研究代表者と研究分担者は、共産圏のSFをテーマとする研究会を北海道大学で開催した。研究代表者は研究会を組織運営し、研究分担者は、梅村博昭と共同で「偽の宇宙開発: カーツ『ソヴィエト・ファンタスチカの歴史』と映画『ファースト・オン・ザ・ムーン』」と題する口頭報告をおこなった。 さらに、研究分担者は、ソ連映画における白鳥のイメージの分析と、その中国映画における引用、受容の様相を比較検討した。この研究成果として、「Image of Ballet in China: Swan Lake and Lenin in 1918」と題する口頭報告を、慶應義塾大学で開催された国際学術シンポジウムでおこなった。 これらの研究活動の過程で、代表者と分担者は、対面およびオンラインによる意見交換をおこない、進捗状況報告、今後の研究計画の打ち合わせなどについて話し合った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4(2022)年度におこなう予定であった中国調査は、新型コロナウイルス感染拡大のため、次年度以降に延期した。対応策として、ハイフレックス形式を利用した中国語報告を香港中文大学でおこなったが、資料調査は次年度以降に実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、新型コロナウイルスの感染状況およびロシアによるウクライナへの軍事侵攻の状況に鑑み、当初の計画にあった中国およびロシアにおける現地調査の実施については、慎重に判断する。対応策としては、オンラインを利用した学術会議への参加や、計画を延長しての現地資料調査の可能性を検討する。
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