研究課題/領域番号 |
21K18357
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉川 雅之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30313159)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 書記言語論 / ダイグロシア / 現代文学 / 文体 / 書面粤語(書面広東語) / 書面台湾語 / 用字法 / 表記法 / 粤語(広東語) / 台湾語 |
研究開始時の研究の概要 |
現代において、中国語に属する言語が音声言語(話されることば)として常用されている社会では、書記言語(書かれることば)は標準中国語のみが担っており、各地の固有言語で能動的に書くという営みは、通常見られない。 しかし、香港と台湾は例外である。広東語や台湾語で著された文学作品は既に無視できない数に達しており、書記言語化という現象は完成段階に向かいつつある。 本研究では1980年代中期以降に刊行された文学作品を分析することで、香港と台湾でそれぞれもともと音声言語として存在していた固有言語(広東語と台湾語)が高度な書記言語化を果たしたプロセスとメカニズムを解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではもともと音声言語として存在していた香港の固有言語(広東語)と台湾の固有言語(台湾語)について、現代の文学作品を基礎資料として、書記言語化がどの様に進んだかを考察した。それと並行して、19世紀から現代に至る粤語の文字表記の特徴の史的変遷を文学作品以外の文献(主に言語学習教材および辞典・語彙集)に基づいて明らかにし、かつ書記言語化に関連する諸現象についての考察を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義としては、研究課題名に含まれる「現代」にとどまらず、急速な書記言語化が進んだ時期に至る前の時期まで視野に入れ、時間幅のより長い通時的視点から分析と考察を行うことができた点が挙げられる。社会的意義としては、香港文学と台湾語文学を主題とした授業で、本研究で得られた知見を受講者と共有することで、大学教育への還元を行うことができた。また、事典の項目解説で早期の字体の特徴について言及し、研究成果を社会に還元することにも努めた。
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