研究課題/領域番号 |
21K18387
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 京都市動物園 |
研究代表者 |
田中 正之 京都市動物園, 生き物・学び・研究センター, 生き物・学び・研究センター長 (80280775)
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研究分担者 |
吉田 信明 公益財団法人京都高度技術研究所, 研究開発本部, 主任研究員 (00373506)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 動物園 / 映像ライブラリ / 深層学習 / 種の保存 / ニシゴリラ / アジアゾウ / 監視カメラ映像 / 機械学習 / 動画ライブラリ / 姿勢行動 / 交尾関連行動 / 監視カメラ / 動画解析 / ナックルウォーク / 認知課題 / チンパンジー / ゴリラ / 絶滅危惧種 / 映像データ解析 / 環境エンリッチメント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画は、いわば映像データによる「種の保存」の試みである。博物館である動物園として、現状の資産(飼育している絶滅危惧種のデータ)を有効に利用し、未来にも利用可能な研究資源として利用できる形で保存することを進める。すなわち、動物の映像記録を、検索可能な電子データ資源として動物園で蓄積する。近年著しく発達しているコンピュータ技術を利用して、深層学習を含む,機械学習的手法を応用して映像データを自動解析することにより、自動的にタグ付けした状態で保存することで、映像データに検索性をもたせて利用可能性を高めるほか、映像ライブラリ等を制作して動物園のウェブページ等から利用できるようにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、映像データによる「種の保存」の試みである。京都市動物園で飼育している4頭のニシゴリラと、5頭のアジアゾウを中心として、絶滅危惧種の映像記録を蓄積し、深層学習により解析しアーカイブ化することを目的として開始した。とくにニシゴリラでは監視カメラを常設し常時記録することで、屋外施設での自然な姿勢や運動をを取り出すことを試みた。これまでに稀ではあっても年単位で蓄積することで研究発表できるレベルに達しつつある。アジアゾウでは、とくに繁殖行動を自動解析するために、監視カメラ映像から、交尾と相関する要素を抽出した。この他に、研究期間中に記録した映像を編集し解説を加えた動画ライブラリを公開している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
絶滅が危惧される稀少種、とくに大型ほ乳類は研究機関ではなく動物園・水族館などでしか飼育されていない。そのような種について、画像や計測データなど静的なデータはすでに保存されているものが多いが、行動については動画で保存しなければ意味をなさない。そのような映像アーカイブを、蓄積し整理し保管できる飼育園館は国内にはほぼ存在しない。本研究により国内動物園で初めて映像記録を蓄積し、それらを自動解析する仕組みを試作した。研究期間終了後も、蓄積した映像に加える形で記録は継続し、解析精度を向上させる予定であり、本研究で目指した映像ライブラリの整備を目指す。アウトリーチ活動として動画の一部公開も行っていく。
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