研究課題/領域番号 |
21K18466
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
内田 順子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60321543)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 沖縄音楽研究 / 女性作曲家 / ジェンダー / 沖縄 / 宮古 / 作曲家 / 金井喜久子 |
研究開始時の研究の概要 |
女性作曲家として日本で初めて本格的な交響曲を作曲した金井喜久子(1906-1986)は、沖縄音楽をモティーフとして多彩な作品を作曲したほか、琉球諸島の伝統音楽の研究など、幅広く活動した。本研究は、喜久子に関する未整理・未発表の資料群を整理・可視化することにより、喜久子の事績とともに、その人的ネットワークを実証的に明らかにする。そして、喜久子の活動を総合的に再構築・再評価し、沖縄近現代史や社会運動史、女性史、ジェンダー研究などのマクロな研究への接続を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、女性作曲家として、日本で初めて本格的な交響曲を作曲した人物である金井喜久子(1906-1986)の活動に関する未整理・未発表の資料群を整理・可視化し、情報を分析することによって、金井喜久子の事績を実証的に明らかにすることを目的とする。 2022年度は、金井喜久子が残した演奏会チラシ・プログラム等の文書類、音響資料について、2021年度に引き続き資料整理を実施した。ご遺族が保存管理するこれらの資料について、2022年5月14日、5月28日、6月11日、6月25日、7月9日、7月23日、8月6日、9月17日の計8回、調査を実施した。 2年度にわたる資料整理により、①演奏会のプログラム、チラシ、ポスター、沖縄復帰式典関係書類、『琉球の民謡』(1954年、音楽之友社)等の草稿、新聞スクラップ、書簡など337点、②交響曲第1番を録音したレコード等55点、③オープンリールテープ・カセットテープ102点が確認でき、残されている資料の全体像を把握することができた。 特に、交響曲第1番のスケッチなど、金井喜久子の作曲家としての修練の痕跡がうかがえる資料や、『琉球の民謡』の草稿、テープに録音されたや音源など、琉球・沖縄の音楽を金井喜久子がいかに思考したのかを考察する上で重要な資料も含まれていることがわかった。 これらの資料と、楽譜の草稿1728点を、所属機関にて手続きの上、ご遺族のご意向に沿って研究借用し、資料整理と調査を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由 金井喜久子のご遺族の私邸に保管される資料の調査であり、ご遺族の立ち会いと協力のもとで調査を進める必要があり、緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置期間は、COVID-19の感染防止の観点から、調査を実施することをひかえたため。また2022年度は、ご遺族の承諾のもとで、所属機関にて研究借用の手続きを進めたが、放送局の取材などを待つ必要が生じ、予定より半年程度遅れての借用となったため。
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今後の研究の推進方策 |
ご遺族の了解のもと、資料をお借りすることができ、資料の整理と内容の精査を進める。レコードと音楽テープは、劣化の激しい状態のものもあるため、媒体変換について専門家の意見を参考にして判断する。文書資料や写真資料については、金井喜久子が主体的に関わった主要な音楽イベント、作曲活動、沖縄音楽の研究を中心に分析を進め、金井喜久子の音楽活動とその社会的影響を実証的に明らかにする。
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