研究課題/領域番号 |
21K18477
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
打越 正貴 茨城大学, 教育学研究科, 教授 (10764970)
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研究分担者 |
宮本 浩紀 茨城大学, 全学教職センター, 助教 (00737918)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | イメージ / 思考 / 可視化 / 教科 / 領域 / 子ども / 思考ツール / “色と形” / 授業 / 言葉 / 経験 / 知識 / 思考指導 / 学習 / 理解 / 言語 / 構成主義 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、言語とイメージの統合を促す学習方略「色と形」を活用することで、子どもの思考過程の可視化を目指すものである。その理論的基盤は認知科学・心理学・言語学にあり、特に言語とイメージが複合的に関わる人間の思考を解き明かそうとする点に特質がある。従来より子どもの思考過程の探究はなされてきたが、その主たる分析手法は子どもの授業中の発言や文章記述に見いだされ、他者から見えずに展開される子どもの内面の動きに関してはいまだ解明に至っていない。本研究が開発を目指す「色と形」は、子どもの内面の核に各自の経験があるという想定の下、学習内容と子どもの経験が結びつく授業スタイルの構築を企図するものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、子どもの思考の可視化を目指した。これまで教師は、子どもの思考内容を「書く」「話す」といった活動を通して確認してきた。だが、「文章を書くこと」「人前で話すこと」が苦手な子どもは自分の考えを示すのが難しい。そのような課題を解消するために、本研究では、子どもの思考過程と思考内容を簡単に可視化できる方法を開発した。それは、子どもが絵を描くという学習活動である。学習方法“色と形”は次の三つの効果を生む。①自分の気持ちを色で表す。②自分の考えをクラスメイトに伝える。③クラスメイトが考えていることがわかる。“色と形”を通じて、「主体的・対話的で深い学び」の実現に資する教育方法の開発を試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで教師は子どもの思考内容を「書く」「話す」といった活動を通して確認してきた。認知科学の成果からみても、人が頭で考えていることを「書くこと」「話すこと」を通して可視化することで、思考内容の整理がなされることには意義がある。その点で学校教育の取り組みは認知科学の研究の蓄積と重なりが見出される。だが、実際の学校現場では、「書くこと」「話すこと」が苦手な子が少なくなく、頭には何か浮かんでいても、それをクラスメイトと共有するのが難しかったり、教師が的確なアドバイスを与えられないという課題があった。思考内容を簡単に可視化できる“色と形”を通じて、その課題の一端を解消することができることが見出された。
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