研究課題/領域番号 |
21K18506
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
鈴木 広隆 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60286630)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | グラフィクスリテラシー / 投象・投影 / CG / 折り紙 / 4次元 / 教育コンテンツ / 図 |
研究開始時の研究の概要 |
グラフィクスリテラシー技術は、3次元形状を2次元に変換する投象がその中心であった。これは、表現対象が3次元空間に実在する形状であることが多く、これを紙やディスプレイ上で表現するには3次元形状を2次元で表現する投象が重要な役割を果たしたためである。しかし現在は、3次元プリンター・スキャナー等の出現により、最終的な表現を平面とすることは必須ではない。そこで本研究では、新たに2次元平面を3次元形状に変換する折り紙技術と4次元形状の3次元形状への投象に着目し、より幅広い意味での投象を理解し、3次元形状による表現も視野に入れた先端的な教育コンテンツを開発することを目的としている。
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研究実績の概要 |
本年度は、サブテーマ(A)「平面の充填パターンDB(データベース)構築と折り紙加工の可能性」に関しては、前年度に引き続き、本学で提供している文系理系学生を対象とした科目 「カタチの自然学AB」において、平面充填や折り紙を活用した行灯を提出課題とした。さらに、工学部建築学科及び市民工学科向けに提供しているCG科目(「図学3」「グラフィクスリテラシーD」)において、プログラミングで平面充填をデザインする課題を設けた。また、2022年9月25日から30日にかけてリガ市(ラトビア)とヴィルニュス市(リトアニア)に滞在し、伝統的な紋様の情報収集を行った。 サブテーマ(B)「4次元形状を投象した3次元形状DB構築とその活用方法の検討」に関しても、4次元形状を投象した3次元形状の行灯を提案し、論文にまとめた。具体的には、正十二面体をベースにした超角柱を3次元に投象した形状の一部に面を貼って行灯とする方法や、超立方体の回転を利用して行灯とする方法を提案した。 サブテーマ(C)「カリキュラム作成とフィードバック」に関しては、4次元の形を分かりやすく説明するためのCG動画教材を作成して「カタチの自然学AB」内で活用した。また、誰もが4次元の形を簡単にデザインに活用できるよう、汎用の4次元グラフィクスライブラリをCGツール上で開発した。新型コロナウィルス感染症のため、海外大学で同様の授業を行いフィードバックを得る活動はできなかったが、前述のリガ市及びヴィルニュス市滞在中に、それぞれリガ工科大学とヴィルニュスゲディミナス工科大学に滞在し、2023年度中にそれぞれの大学で授業を行うことの打ち合わせを行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症のため、海外大学で同様の授業を行いフィードバックを得る活動に関しては進められていない。それ以外は概ね順調に進んでいる。令和5年度に関しては、海外大学で対面で講義・演習を行い、フィードバックを得たいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
進捗は概ね研究計画通りである。サブテーマ(A)については、引き続き、紋様の歴史と文化の情報を収集する。特に、実際に授業を行ってフィードバックを得 るリトアニアとラトビアの紋様については、重点的に情報を収集することとする。 サブテーマ(B)については、令和3年度4年度に提案した形状をベースにDBの内容を一層充実させるとともに、実際のデザイン・ものづくりへの活用を行う予定である。 サブテーマ(C)については、令和4年度に開発した汎用4次元グラフィクスライブラリを用いたカリキュラムを準備する。そして海外の大学で授業を行い、アンケ ート調査により学生の評価を受け、 さらに内容をカリキュラムを改善する予定である。日本と海外大学の学生の評価の違いについても明らかにすることとする。
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