研究課題/領域番号 |
21K18534
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
新井 典子 (麻生典子) 神奈川大学, 人間科学部, 准教授 (70570216)
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研究分担者 |
小林 麻衣子 早稲田大学, 理工学術院, 日本学術振興会特別研究員(PD等) (10802580)
佐々木 恭志郎 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (70831600)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 痛いの痛いの飛んでいけ / わらべうた / 心理学的効果 / 痛み / 文化差 / 世代差 / おまじない / わらべ唄 / 身体接触 / 乳幼児 / タッチ / 心理的効果 / 物理的効果 |
研究開始時の研究の概要 |
わらべ唄の「痛いの痛いの飛んでいけ」は、痛みを訴える子どもに大人が触り、音楽的な言い回しでおまじないをかける行為である。本研究は、「痛いの痛いの飛んでいけ」の心理的・物理的効果を、身体接触タイプやおまじないの有無、術者と被術者の関係性の3つの要素により増減するかを実験的に検討する。3つの実験結果から、「痛いの痛いの飛んでいけ」等のわらべ唄が、子どもや大人にどのような存在意義をもつのかを考察する。
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研究成果の概要 |
本研究は、「痛いの痛いの飛んでいけ」の心理学的効果と痛みを取るおまじないの文化差、わらべうたの世代差と体験イメージを検討した。本研究では、「痛いの痛いの飛んでいけ」のおまじないが痛みの生理反応を減弱しないという結果が得られた。また、痛みを取るおまじないは異文化間に共通して認められたが、言葉かけや行為には文化差があることが見出された。さらに、「くすぐり唄」や「子守唄」、「痛いの痛いの飛んでいけ」は、各々が独自の役割を有する可能性が示唆された。親世代と子ども世代では、わらべうたの体験プロセスが異なる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本の育児の社会的文脈に生起する「痛いの痛いのとんでいけ」のおまじないを、実験的に検討する挑戦的な試みを行なった。本研究は、おまじないの複雑なメカニズムを解明する基礎的データを見出し、有益な示唆を与えた。おまじないの効果に関する先行研究は極めて少ないため、学術的意義は高い。 また、本研究は、親世代と子ども世代のわらべうたの体験プロセスのモデル化を行った。このモデルは未だ仮説的なものだが、今後実証研究を行うことで、親が子どもにわらべうたを歌う意義を裏付けるエビデンスとなり得る。これらは、親子の愛着形成及び次世代育成、子育て支援の観点からも貴重なデータであり、大いに社会的意義がある。
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