研究課題/領域番号 |
21K18621
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岸本 康宏 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 教授 (30374911)
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研究分担者 |
小川 泉 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (20294142)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 暗黒物質 / アクシオン / 暗黒光子 / マイクロ波 / 極低温 / 強磁場 / マイクロ波共振空洞 / 共振空洞 / アクシオン類似粒子(ALP) |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙には通常の物質の5倍もの未知の物質,暗黒物質が存在している. 本研究では,弦理論などから予言された暗黒物質の候補であるアクシオン類似粒子(Axion-Like Particles, ALPs)と暗黒光子(Hidden Photon, HP)の探索を世界最高感度で遂行する. 暗黒物質としては,アクシオンがより有力な候補と言えるが,その相互作用が小さい. そこで,本研究では,ALP, HPの検出原理の違いを上手く利用して段階化し,各段階で世界最高感度での実験を遂行し,それを最終的なアクシオン探索への基礎構築に繋げる.
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研究成果の概要 |
本研究では,超弦理論などで予言され,質量は非常に軽いと考えられている暗黒光子,アクシオン類似粒子を対象に研究を実施した.後者は強磁場の存在下でマイクロ波光子に転換し,前者は磁場を必要としない.予想されるマイクロ波信号は非常に微弱であるため,本研究は,1)室温下での暗黒光子探索,2)極低温下での高感度暗黒光子探索,3)極低温,強磁場環境下でのアクシオン類似粒子の探索と,3段階で研究を推進した. 現在,これらデータの解析中であり,データ取得系が非常に安定で,長時間測定による感度上昇の有効性が確認されるなど,4)将来の暗黒物質アクシオン探索の基礎を構築することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
暗黒物質は,宇宙の重力源の大部分を占める正体不明の素粒子であり,その解決は,現代物理学,宇宙物理学の最大の課題の1つである.数多くの暗黒物質候補の中で,アクシオンは最有力候補の1つであるが,その探索には,複数の技術的困難がある.この状況下,本研究は,1)室温下での暗黒光子探索,2)極低温下での高感度暗黒光子探索,3)極低温,強磁場環境下でのアクシオン類似粒子の探索と,実験を三段階で進めることにより,各段階で技術的課題を解決し,同時に意味ある物理の探索を実施しながら,アクシオン探索という最終目標に向け,実験的な基礎を構築する事に成功した.すなわち,アクシオン探索実行の基礎を構築出来た.
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