研究課題/領域番号 |
21K18627
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福田 努 名古屋大学, 高等研究院, 特任講師 (10444390)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 原子核乾板 / 素粒子実験 / 二重ベータ崩壊 / MeV電子 / 平板状ハロゲン化銀結晶 / マヨラナ粒子 / ニュートリノ / ダブルベータ崩壊 |
研究開始時の研究の概要 |
「ニュートリノ質量の特異な軽さ」と「物質優勢な宇宙の起源」という素粒子物理学・宇宙物理学の最重要課題の究明に向けて、「ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊」事象の探索を目指し、原子核乾板におけるMeV電子の精密測定技術の開発に取り組む。本研究では平板状ハロゲン化銀結晶で構成される原子核乳剤を新たに開発し、乳剤中でのエネルギー損失の基礎研究を進めるとともに、MeV電子の精密測定技術を開発する。本研究は原子核乳剤において世界で初めて平板状結晶を導入する試みであるため、結晶生成にあたっての条件を1から洗い出す必要があるが、同時に全く新しいデバイスが開発される可能性があり、その波及効果は計りしれない。
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研究成果の概要 |
素粒子ニュートリノの極端な軽さの起源、そして宇宙が物質で満ち溢れている理由(物質優勢宇宙の起源)の解明に向けて、「ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊(0νββ)」事象の探索を目指し、新たに原子核乾板を用いた実験手法を提案し、従来と全く異なる新しい原子核乳剤を開発した。 新しく開発した平板状の臭化銀結晶を持つ原子核乳剤は、従来の八面体臭化銀結晶の原子核乳剤と比べて荷電粒子の結晶内通過距離の不定性が抑制でき、0νββから放出されるMeV電子のエネルギー分解能が飛躍的に向上すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では半世紀以上手が付けられていなかった原子核乳剤の結晶形状を抜本的に改良するという野心的な研究に挑戦し、新たに平板状の臭化銀結晶を持つ原子核乳剤の作製に成功した。この成果は、将来の原子核乾板を用いた0νββ探索実験の実現に向けた極めて重要な一里塚である。また、今後取り組む実用化研究が達成された暁には、素粒子検出器としても全く新しいデバイスが開発される可能性があり、その波及効果は計り知れない。
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