研究課題/領域番号 |
21K18628
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
身内 賢太朗 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (80362440)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 暗黒物質 / シンチレータ / CF4 / フッ素 / シンチレーション |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙の全エネルギーの約1/4を占める暗黒物質の性質解明は、宇宙物理・素粒子物理にまたがる大きな問題である。現在進められている多くの研究の中で、通常の物質との反応の検出を目指す「直接探索実験」は、液体キセノンを用いた実験がリードしている。一方で、暗黒物質の性質によっては、フッ素を含んだ検出器を用いる探索が有利に働く場合もある。数年以内にPICOという実験が発見を主張する可能性があるが、PICO実験では、暗黒物質の性質解明に必要なエネルギー情報を取得することができない。本研究では、エネルギー情報を取得可能なフッ素を含んだ大質量検出器を開発する。
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研究成果の概要 |
最終目標の液化CF4の発光研究に先立ち、まずは冷却したCF4ガスでの発光量を測定し、論文として公表した。この結果に基づいて、CF4容器の熱設計等を見直し、安定に冷却可能なシステムとした。こうした再設計後の検出器を用いてCF4を安定に液化することに成功した。さらに、中性子を照射することで引き起こされる原子核反跳に対して、シンチレーション光を確認、有意に計数率が上昇すること、この計数率が液量に比例することが確認された。さらに、下の光電子増倍管でも上のものと同様にシンチレーション光が観測されることが確認され、液化CF4はシンチレーション光を発し、自身を透過するという成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙の全エネルギーの約1/4を占める暗黒物質の性質解明は、宇宙物理・素粒子物理にまたがる大きな問題である。現在進められている多くの研究の中で、通常の物質との反応の検出を目指す「直接探索実験」は液体キセノンを用いた実験がリードしている。一方で、暗黒物質の性質によっては、フッ素を含んだ検出器を用いる探索が有利に働く場合もある。本研究では、これまでに観測されていなかった、液化CF4ガスが原子核反跳事象で発光することを確認、フッ素を含んだ新らしい暗黒物質検出器の開発の基となる原理実証に成功した。
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