研究課題/領域番号 |
21K18649
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
福士 圭介 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (90444207)
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研究分担者 |
高橋 嘉夫 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10304396)
濱田 麻希 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (90635997)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | カルシウム炭酸塩1/2水和物 / 溶解度 / アルカリ塩湖 / 炭酸カルシウム1/2水和物 / 溶解度積 / 準安定相 |
研究開始時の研究の概要 |
カルシウム炭酸塩は地球上に普遍的に存在し、炭素循環に関与するとともに、過去の地球環境の変遷を記憶する重要な媒体である。これまでカルシウム炭酸塩として6つの鉱物種が認識されてきたが、これらに加え2019年に7つ目のカルシウム炭酸塩の結晶相が室内合成実験から見出された。第7のカルシウム炭酸塩は実験室では簡単に合成することができるが、自然界における生成は報告されていない。第7のカルシウム炭酸塩が自然界で見過ごされていることは、この物質が関わっている地球科学的プロセスを我々が見落としているからに他ならない。本研究はCCHHを自然界で発見し、その地球惑星科学的意義を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
従来6種のカルシウム炭酸塩が自然界に存在することが認められていたが、2019年に新種であるCalcium Carbonate Hemihydrate (CCHH)が室内実験から発見された。本研究ではCCHHを自然界から探し出すことを目的に、①CCHHの溶解度測定、②世界の湖水データとの比較による生成場の制約、③自然界における探索を行った。①および②から、CCHHが生成しうる場は大陸内部のアルカリ塩湖であるという可能性を得た。次にモンゴル・アルカリ塩湖の調査を行い、CCHHの痕跡を見出することができた。一方信頼性の高い同定には、複数手法による裏付けが必要と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カルシウム炭酸塩は地球上の普遍的に存在し、炭素循環において重要な役割を果たす。カルシウム炭酸塩はこれまで、古環境復元・バイオミネラリゼーション・二酸化炭素の地層貯留など、幅広い分野で研究されてきている。本研究ではカルシウム炭酸塩の新種であるCalcium Carbonate Hemihydrate (CCHH)の溶解度を世界で初めて測定し、その結果に基づき、アルカリ塩湖にCCHHが存在する可能性を得た。アルカリ塩湖は大気二酸化炭素の吸収源として機能する可能性を持つことが近年指摘されている。CCHHはアルカリ塩湖における二酸化炭素の固定反応に重要な寄与を果たすことが推測される。
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