研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は,微小領域加工法である集束イオンビーム (FIB) を用いて作成した薄膜試料中において,微生物の存在,分類群,および周辺鉱物の関係をその場で評価する新手法の開発を目指す.そのために,微生物その場検出法(蛍光in situハイブリダイゼーション法)と,有機物・鉱物観察法(透過型走査X線顕微鏡および透過型電子顕微鏡)を組み合わせる.
マンガンや炭酸塩などの鉱物中に含まれる微生物の分類群を,集束イオンビーム(FIB)加工薄膜中において,走査型透過X線顕微鏡を用いて同定することを目的として研究を行った.様々な蛍光物質で標識されたDNAプローブの検出可能性を探索した結果,検討を行った中ではCy3チラミドで標識されたものが最も適していることが明らかとなった.この手法を,マンガン団塊中に生息する微生物を模した試料に適用したところ,微生物が特異的に検出された.
本研究により,鉱物中に存在している微生物様構造が微生物であるかどうか,そしてそれらがどのような分類群の微生物であるかを,集束イオンビーム加工薄膜中において高解像度に判断する手法の可能性が提示された.この手法をを確立し,マンガン団塊などの金属資源や,微生物性炭酸塩岩による石油貯留岩などに適用することで,資源等の形成に微生物がどのように関与しているのか,理解が進むと期待される.
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 1件)
Sedimentary Geology
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