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分子動力学に基礎づけられた「ゆらぎの流体力学」の創成

研究課題

研究課題/領域番号 21K18692
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
研究機関大阪大学

研究代表者

矢野 猛  大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (60200557)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
キーワード分子動力学 / ゆらぎ / 流体力学 / 非平衡 / 分子気体力学 / 局所平衡 / 分子流体力学 / 希薄気体力学 / 非平衡物理
研究開始時の研究の概要

熱流体力学の前提条件である局所平衡の仮定が成立しない程度の小さなスケールにおいては「ゆらぎ」が相対的に顕著となる。しかし、ある時刻にある位置に現れた変動成分が、何処でどのように振る舞うかを分子レベルから議論するための理論的枠組み、すなわち、分子動力学に基礎づけられた「ゆらぎの流体力学」は取り組まれた例がない。分子動力学計算によって全分子の運動を詳細に明らかにすることをとおして、「ゆらぎの流体力学」の創成を目指すことが本研究の目的である。これによって、さまざまな不安定を誘起する擾乱の起源、気泡核の初生などに対して、確率的・統計的にではなく、分子運動に基づく決定論的な解析が可能になると期待できる。

研究成果の概要

熱流体力学の前提条件である局所平衡の仮定が成立しない程度の小さなスケールにおいて、詳細かつ精密に分子運動を解析することをとおして、「ゆらぎの流体力学」の基礎を構築することを目標とした。ゆらぎの詳細な力学を論じる際、従来はLiouville方程式が基盤となっていたが、これを分子動力学に置き換えることを目指して、理論整備を行った。Liouville方程式の分布関数は位相空間の解軌道だが、現実の(小さい)系の観測は、有限粒子数・有限時間の軌道の平均によってなされる。分子動力学計算をとおして、有限粒子数・有限時間の軌道の平均を実観測量に変換するための理論をおおむね構築できたと考えている。

研究成果の学術的意義や社会的意義

揺動散逸定理に代表される「ゆらぎの統計」の研究は少なくない。Landau やPrigogineらは、局所平衡を天下りに仮定するゆらぎの流体力学を提唱した。しかしながら、どのような時空間スケールのゆらぎが、どのような根拠をもって、局所平衡の仮定と両立するのかについては、十分な議論はなされていない。本研究は、このような観点に立って、ある時刻にある位置に現れた変動成分が、次の時刻に何処でどのように振る舞うのかを分子レベルから議論するための理論的枠組みを、分子動力学に基礎づけられた「ゆらぎの流体力学」と名付けて、これを創成するための基礎的ではあるが萌芽的かつ挑戦的な課題に取り組むことを目的とする。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 平板の面内振動によって誘起される希薄気体流れの ES-BGKモデル方程式にもとづく数値解析2023

    • 著者名/発表者名
      上井 勇人、稲葉 匡司、矢野 猛
    • 学会等名
      日本機械学会関西支部第98期定時総会講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ES-BGKモデル方程式にもとづく線形分散関係2023

    • 著者名/発表者名
      松原 佑樹、稲葉 匡司、矢野 猛
    • 学会等名
      日本機械学会関西支部第98期定時総会講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2021-07-13   更新日: 2024-01-30  

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