研究課題/領域番号 |
21K18727
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
安井 武史 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 教授 (70314408)
|
研究分担者 |
田中 拓男 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (40283733)
岡本 敏弘 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (60274263)
南川 丈夫 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (10637193)
浅原 彰文 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (00770091)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 光コム / メタマテリアル / 光磁場 / 光電場 / 屈折率 / 透磁率 |
研究開始時の研究の概要 |
屈折率は、比誘電率と比透磁率の平方根の積で決まるが、自然界にある物質は光磁場と相互作用しないので、比誘電率の平方根が屈折率に等しくなる。この自然界の常識を覆したのが「メタマテリアル」である。物体中に金属ナノ構造を作り込んで比透磁率を任意に制御することにより、自然界の常識を超えて光を自由自在に操ることが可能になる。この「非常識な光学」をメタマテリアルで実現していくためには、遠方場や近接場における光電場と光磁場の振る舞いを明らかにする必要があるが、困難とされてきた。 本研究では、「光周波数の物差し」である光周波数コムを更に光磁場計測に発展させることにより、革新的な近接場光磁場分光法を実現する。
|
研究実績の概要 |
『光周波数コムの光磁場成分(光磁場コム)』に着目し、デュアル光コム分光法と光磁場検出器を融合して、透磁率の複素スペクトルをRF帯で高精度計測することにより、革新的な近接場光磁場分光法を実現することを目指して研究を行った。今年度は、デュアル光電場コム分光装置の光源部分の簡略化に関する検討を行った。これまでは、2組の独立に周波数安定化制御されたエルビウム添加フィバー光コムをデュアル光コム光源として利用してきたが、周波数安定化制御装置が複雑・高価で汎用性が欠けていた。そこで、別の研究プロジェクトで連携していた学外研究者と共に、機械共有構造を導入することにより、周波数安定化制御装置が不要なデュアル光コム光源を構築した。具体的には、独立した2つのエルビウム添加フィバー光コム共振器を機械的に共有して、環境外乱の影響を同等とした。これにより、エルビウム添加フィバー光コムのモード間隔が環境外乱に依存して変動したとしても、その変動が同じ振る舞いを示すことになり(コモン・モード周波数揺らぎ)、結果として両者の差周波がパッシブに安定化される。これにより、周波数安定化制御装置を不要となり、デュアル光電場コム分光装置の光源部分の大幅な簡略化を実現した。 上記以外に、光学的アプローチに基づいた光磁場検出法の理論検討を行った。また、金ナノ粒子を用いたメタマテリアルを自作するための設備を整備し、研究分担者から共有された作成手法に基づき、メタマテリアルの作成を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・デュアル光電場コム分光装置の光源部分の簡略化を行い、ほぼ想定通りの性能を達成した。 ・金ナノ粒子を用いたメタマテリアルの作成が可能になった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度に理論検討を行った光磁場検出法を実現するための装置を構築し、基本特性を評価する。良好な結果が得られれば、現有のデュアル光電場コム分光装置に組み込み、デュアル光磁場コム分光装置の実現可能性を検証する。
|