研究課題/領域番号 |
21K18735
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
粟野 博之 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40571675)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 磁性細線メモリ / 超高速光磁気記録 / 高速データレート / 高速磁壁移動速度 / 高感度光磁気記録 / 短パルス電流高速磁壁駆動 / DMI高感度光磁気記録 / 超低消費電力 / 電流磁壁駆動 / 希土類/遷移金属合金・多層膜 / レーザーアニール / ナノインプリントスピンデバイス / ジャロシンスキー守谷相互作用 / 高感度化 / 赤外記録 / 光通信レーストラックメモリ / 高速磁壁駆動 / 磁壁移動速度 / 高速光磁気記録 |
研究開始時の研究の概要 |
第4次産業革命は5G,6G通信革命がキー技術であり、この高速データ通信を支えているのが光通信である。光通信速度は100Gbpsと速いが、これを保存するSRAMのデータレートは1Gbpsと遅く、大量のSRAMに光通信信号を並列記録している。このため、光電変換とSRAMの電力が大問題となっている。そこで、光電変換とSRAMが不要な新しい光レーストラックメモリを提案する。希土類・遷移金属は有名な光磁気記録材料であるが、この材料を磁性細線メモリに適応すると低電流密度で高速に磁区を動かすことができる。磁性細線に光通信光で光磁気記録し、記録磁区を次々に電流で磁性細線上を移動することで不揮発メモリとなる。
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研究成果の概要 |
GdFeCo磁性細線上の磁壁をパルス電流で駆動する磁性細線メモリにおいて、パルス幅を短くすると外部磁界の助けを借りることなく無磁場でも磁壁の移動速度を2000m/secに高速化できることを見出した。このデータ入力に光パルスを使う超高速光磁気記録を提案した。従来の光磁気記録における磁区の移動速度は50m/sec程度なので、この新しい提案によりデータ転送レートを40倍高速化できる。ただし、光通信短パルス光パワーは従来の光磁気記録に比べて40分の1になるので蓄熱構造が重要であり検討を行った。高速磁壁駆動には重金属層Ptヘテロ構造が重要だが、これは高感度光磁気記録にも有用であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Society5.0では、データセンターへのビッグデータ蓄積に必要な消費電力の急増が大問題になっている。この原因は高速な光通信信号を光電変換して半導体メモリに記録するシステムにある。そこで、本提案のように光通信光を直接電流駆動型磁性細線メモリに照射して光磁気記録できればデータセンターの消費電力を100分の1に低減することが可能となる。磁壁の移動速度が2000m/secで、最短記録ビット長を100nmとした場合、データ転送レートは20Gbpsとなり、提案の実現性にマッチする。この手法により光電変換と半導体メモリへの記録電力が不要となり、革新的にデータセンターの消費電力を低減することが期待できる。
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