研究課題/領域番号 |
21K18882
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
葛谷 明紀 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (00456154)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | DNAオリガミ / 人工抗体 / 免疫染色 / ELISA |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者が世界に先駆けて独自に開発した「ターゲット分子を挟むように結合することで閉じた形状へと変形するDNAオリガミ分子機械」をベースに、アロステリックな動作機構を示す「人工抗体」を構築する。ヒトIgGなどの実践的なターゲットを認識する「基質認識部位」、および全体の構造変化を蛍光や酵素活性として検出するための「シグナル発信部位」を組み込むことで、基質に結合してはじめてシグナルを発する、免疫染色やELISAのための世界に類例のない「アロステリック人工抗体」の実用化をめざす。
|
研究成果の概要 |
研究代表者が独自に開発したDNAオリガミ分子機械である「1. DNA Pliersへの抗体断片の導入」について、アロステリック機構を活用して導入した二分子の抗体断片がターゲット分子を協同的に結合していることを示唆する結果を得た。また「2. 基質の結合を可視化するためのシグナル発信部位の構築」については、別途開発していた「DNA足場を活用した生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)の制御」系を活用して、「DNA Pliersの構造変化に伴い発光タンパク質の発光色が変化するシステム」の開発に成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究における「基質の結合を可視化するためのシグナル発信部位の構築」により、ターゲット分子の結合に伴ってDNA Pliersが構造変化すると、発光タンパク質の発光色が変化するシステムが開発された。これまでDNA Pliersの構造変化はAFMでイメージングする以外、FRETを利用したわずかな蛍光スペクトルの変化からしか観察することができなかったが、この系により、高価な研究用機材を有していない一般家庭などでも、DNA Pliersの開閉を明瞭に区別することができるようになった。DNA Pliersを化学検査キットとして実用化するための最大の障壁が克服され、DNAオリガミ技術の社会実装に近づいた。
|