研究課題/領域番号 |
21K18895
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 (2022) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
金子 健太郎 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (50643061)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 酸化物 / 結晶成長 / 抗血栓作用 / バッファ層 / 留置型ステント / 生体吸収ステント / マグネタイト / 抗血栓材料 / 抗血栓 / ポリマー / CVD / コーティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はステントや人工弁等の心臓周辺医療部品にコーティングされる抗血栓作用をもつ薬剤ポリマーの剥離を防ぐために、半導体製造技術を応用する事でその密着性を高めて部品の安全性を高める事、そして剥離しやすい有機物ではなく無機物で抗血栓作用をもつ新しい材料を開拓し、研究代表者自身も含めた心臓に人工物を埋め込んでいる患者さんの負担を減らす事を目的とするものです。
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研究成果の概要 |
本研究は、心臓の冠状動脈等が狭窄した際に体内に留置する医療器具であるステントにおいて問題となっている血栓の発生という難題に対して、抗血栓作用がある酸化物材料(Fe3O4)を密着性良くコーティングする事で解決する事を目指したものである。研究成果として、生体吸収性をもつMgステント上にFe3O4を密着性良く製膜するためのMgZnO層の開発に成功した。MgZnO層はZn組成が大きくなると結晶構造が変化するが、バッファ層の導入によってその変化を抑制し、Fe3O4と密着性が良い事が期待される立方晶を維持したまま成長する事に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで体内留置型ステントのコーティング材料として有機物が用いられてきたが、無機物による検討はほとんど無かった。本研究では無機物を抗血栓作用層として製膜を試みた研究であり、新しい学問分野の萌芽の一助になる可能性がある。また、無機物による耐久性が高い抗血栓膜が実現すると、ステントの留置期間を延ばして手術回数を減少させる事が可能になり、ステント置換によるリスクを大幅に低減する事が可能である。これは人々がより健康に暮らせる社会の実現に向けて大きな意義をもつ。
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