研究課題/領域番号 |
21K18956
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 豊 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00334243)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | メカノクロミズム / クロミック分子 / フルオレニリデン-アクリダン / 圧力測定フィルム / インクジェット / 電荷移動遷移吸収 / ナノインデンター / 表面電位 / クロミック材料 / 圧力センサー / フルオレン / アクリダン / ナノインプリント / ケルビンフォース顕微鏡 / 面圧センサー / 有機半導体 |
研究開始時の研究の概要 |
力学的応力により吸収色(見た目の色)が劇的に変化する有機半導体を創出し,それを用いた薄膜圧電デバイスを創製する.押圧により折れ曲がり型からねじれ型へと立体配座を変え,それにより電荷移動遷移が可能になり,濃い吸収色と高い電荷移動特性を与えるフルオレニリデン-アクリダン分子を系統的に合成し,基底状態メカノクロミズム特性を調べ,電荷移動度を評価する.押せば色が濃くなり圧電特性が向上する圧電フィルム,それを応用した高分解能面圧センサーを開発する.基底状態のメカノクロミズムや固体中での平衡論といった学理を確立して基礎を固めるとともに,有機圧力センサー分子による 産業創出の可能性を検討する.
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研究成果の概要 |
押圧により色が黄色から濃緑色に変化するフルオレニリデン-アクリダンの蒸着膜を作製し、その圧力-色変化の関係を定量的に議論した。これはクロミック分子研究の新たな指標となる。アルコール蒸気により黄色に戻り、繰り返し利用可能であることが示された。また、空間分解能は50 nmと、既存の圧力測定フィルムの1000倍以上高かった。アルコール中で微細化することで、フルオレニリデン-アクリダンを黄色のまま粉末化し、インクジェット印刷に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでのクロミック分子に関する色の変化についての議論は主に定性的なものであったが、本研究ではその定量的な議論を可能とし、クロミック分子の化学および物理研究の模範を示した。セルロースナノファイバーとフルオレニリデン-アクリダン色素を混合し、成膜することで、押圧により色が緑色に変化する黄色い紙を作製することに成功した。圧力感度や繰り返し使用性も良好であり、今後はこの方向での研究を進める予定である。
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