研究課題/領域番号 |
21K18976
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
河野 正規 東京工業大学, 理学院, 教授 (30247217)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | MOF / 磁場 / 結晶構造 / 結晶成長 / 配位高分子 / 構造解析 / 配向制御 |
研究開始時の研究の概要 |
磁場・電場による小分子の配向制御は熱エネルギーに打ち勝てないために極めて難しいが、分子間相互作用により集合体を形成する特異な配位子と金属イオンを組み合わせることにより自己集合の過程を磁場・電場により初期段階で生成する微小な核の配向を制御することで、通常結晶成長が難しい準安定な異方的細孔性ネットワーク錯体(MOF)を創製することを目的とし、天然物などの大きな分子を包接可能な細孔を有するMOFの結晶成長を目指す。
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研究成果の概要 |
ピリジン基を有する配位子を用いて室温で磁場の影響を検討したところ、明確に磁場の影響を確認することができた。汎用のネオジウム磁石を用いて反応容器外部から容器内に磁場をかけ室温でMOF合成を検討したところ、磁場ありで結晶成長が促進されることを見出した。磁場下で結晶成長させた後、磁石を取り除き放置すると結晶が溶解し、再び磁場をかけると結晶が成長することを確認した。そこで、磁場あり・なしで結晶外形を顕微鏡で観察したところ異なる形の結晶が得られることを確認し、単結晶X線構造解析により構造を比較したところ配位子の配向が異なる構造が得られ、当初の第一目標を達成できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小分子を基調とするMOF合成への磁場の効果の研究は原理的な限界から前例がない。また、小分子でありながら相互作用性を分子に組み込むことにより分子集合体として磁場応答を誘起しようとする報告も皆無である。これまでMOFは配位子や金属イオンの結合の数・方向などの構成要素を考慮して設計されてきたが、分子集合体と磁場を利用することにより熱エネルギーに打ち勝ち通常の条件下では形成できないヒステリックなMOFを構築できれば、どのような特性を示すのか学術的に大変興味深く、細孔体としてこれまでにない応用が期待できる。今回得られた結果はその研究のための足掛かりになる成果である。
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