研究課題/領域番号 |
21K19034
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
保田 諭 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主幹 (90400639)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | 同位体効果 / 重水素 / 電気化学 / 燃料電池 / 水素ポンピング / パラジウム / 水素同位体分離 / 触媒 / 同位体 |
研究開始時の研究の概要 |
固体電気化学デバイスである、固体高分子形燃料電池(PEM-FC)と固体高分子形水素ポンピング(PEM-ECHP)を組み合わせた省エネルギーでの重水素ガス濃縮デバイスを開発する。初めに、それぞれのデバイスで重水素ガスが高効率で濃縮する電極触媒を開発する。PEM-FCで発電したエネルギーをPEM-ECHPの駆動エネルギーに利用し、これらデバイスをカスケード接続することで、省エネルギーで重水素ガス濃縮が可能なデバイスを開発し、その動作機構の知見を得る。これにより、半導体産業や医薬品開発に重要な重水素ガスの低コスト製造法の礎を築く。
|
研究成果の概要 |
固体高分子形の電気化学デバイスである燃料電池と水素ポンピングにおける水素同位体ガスの重水素濃縮能について、電極触媒種が与える影響について検証した。その結果、アノードにPd膜を用いた場合では燃料電池と水素ポンピング共に、室温で重水素が濃縮する同位体効果が発現するのを見出した。さらに、燃料電池と水素ポンピングを組み合わせることで、燃料電池の発電エネルギーで重水素を濃縮可能な、省エネルギー重水素濃縮デバイスの基礎的動作を実証した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素同位体分離の研究は古くから行われているが、室温で動作可能な固体高分子形電気化学デバイスを用いての分離に関する研究例はわずかである。特に電極触媒種が分離能に与える影響に関する知見は皆無であり、学術的にもこれら機構を明らかにすることは重要である。また、重水素は、製造コストが高いため、その多くを輸入に頼っている。しかしながら、戦略物質であり価格コントロールされているため供給リスクが高い。本成果は、低コストでの重水素濃縮の可能性を示した結果であり、国内産業で必須の重水素の国内生産化が期待できるため社会的意義も高い。
|