研究課題/領域番号 |
21K19055
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
片山 佳樹 九州大学, 工学研究院, 教授 (70284528)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | がん免疫療法 / 抗体 / エフェクター作用 / ADCC / ペプチド / がん化学療法 / 抗体医薬 / ナチュラルキラー細胞 / がん / がん免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
抗体医薬は優れた制癌剤であるが、薬価が高く財政破綻さえ危惧される状況である。抗体薬のがん殺傷機能で最も重要なものの一つにナチュラルキラー細胞の活性化(ADCC)がある。申請者は、血中に多量に存在するあらゆる内在性抗体を、がんに特徴的な分子に対するリガンドを用いてがん細胞にリクルートする分子を設計し、これがADCCを誘起出来ることを見出した。ここではさらにこのシステムを、どんな固形がんにも適用可能にするため、がんの一般的性質であるpH低下、あるいはマトリクスプロテアーゼの作用により、血中の内在抗体をがん組織に集積できる抗体リクルート分子を開発して新たながん治療法の概念を創成する。
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研究成果の概要 |
本研究は、固形がんの普遍的な性質であるpHの低下を利用して細胞膜に貫入し、血中の内在性抗体をがん細胞に集積させる分子の開発を目的としている。これにより、ナチュラルキーラー細胞(NK細胞)を活性化してがんを殺傷することを期待している。 そこで、pH低下に伴い細胞膜に勧誘するα‐ヘリックスを形成するペプチド配列を種々設計し、抗体のFc部位と結合するペプチドを連結した分子を開発し、がん細胞に抗体を集積させることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、がん化学療法の主流は抗体医薬であるが、製造、保存などに問題があり、薬価が極めて高い。このままでは財政破綻を引き起こすため、安価な薬剤で抗体と同じ活性を実現できれば、社会的意義が大きい。本研究で開発する分子は、固形がんの共通の性質であるpHの低下を利用して内在抗体をリクルートしてナチュラルキラー細胞を活性化してがんを治療できるため、一つの分子で種々のがんに適用可能であり、社会的意義は極めて大きい。また、エフェクター作用を抗体以外で実現できる分子として学術的にも価値が高い。
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