研究課題/領域番号 |
21K19067
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西村 慎一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 講師 (30415260)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | アミノ酸 / セリン / 化学遺伝学 / 免疫抑制剤 / ケミカルバイオロジー |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質を構成するアミノ酸の一つであるセリンは、様々な生体分子の原料にもなる。近年にはセリンの代謝が、がんや病原性細菌の増殖においても重要な役割を持つことが示され、その代謝機構の理解と制御手法の開発が期待されている。申請者らはセリン代謝経路の解明と薬剤による制御方法の開発を目的として、分裂酵母をモデル生物としたスクリーニングを行い、免疫抑制剤がセリンの資化を選択的に抑制することを見出した。本申請研究はこの現象を分子レベルで明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
申請者らは分裂酵母をモデルとして用いた実験系において免疫抑制剤がセリン資化を抑制することを見出しており、本研究ではこの現象を分子レベルで明らかにすることを目的として行った。その結果(1)放射性同位体標識アミノ酸を用いたアミノ酸取り込みの解析とメタボローム解析によりFKBP12阻害がセリンやスレオニンの代謝を抑制すること、(2)遺伝学的スクリーニングによりFKBP12の下流因子がスレオニンデアミナーゼであること、(3)生化学的試験によりFKBP12がスレオニンデアミナーゼを抑制することなどを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スレオニンデアミナーゼはスレオニンを基質として脱アミノ化を行い、生成したα-ケト酪酸はイソロイシンの原料として用いられる。本酵素は最終産物であるイソロイシンによりフィードバック阻害を受けることは古くから知られていたが、そのほかの抑制機構は知られていなかった。本研究ではスレオニンデアミナーゼが免疫抑制剤の細胞内標的でもあるFKBP12により抑制されることを世界で初めて明らかにしており、学術的に重要な結果が得られたと考えられる。
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