研究課題/領域番号 |
21K19115
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 健太郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (40570750)
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研究分担者 |
石井 孝佳 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (80823880)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 亜科間交雑 / 染色体脱落 / ゲノム編集 / 倍加半数体 / コムギ / パールミレット / 形質転換 / 花粉 / 属間交雑 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、パールミレットとコムギとの亜種間交雑による倍加半数体技術とゲノム編集技術を融合することで、形質転換体の作出が困難なコムギにおいてもゲノム編集を可能にする新しい技術を開発するのが目的である。パールミレット花粉にRNPを発現させ、パールミレットの精細胞をRNPのキャリアーとして使い、受精時にコムギの標的ゲノム領域を編集する。本技術は、キメラフリー、外来遺伝子フリーのゲノム編集コムギを作出できるだけでなく、乾燥に強く、冷凍保存できるパールミレット花粉の特徴を生かし、花粉を利用したゲノム編集試薬の創出が期待される。
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研究実績の概要 |
パールミレットは、多くの穂を作り、それぞの穂から大量の花粉を取ることができる。さらに、花粉は、乾燥・凍結耐性能をもち、-80度で保存することができる。また、ムギ類との亜科間交雑をした場合、パールミレットの染色体が選択的に脱落することから、ムギ類の倍加半数体を作成することも可能である。本研究では、パールミレットのこの特性を活かし、亜科間交雑による染色体脱落現象を利用した倍加半数体技術とゲノム編集技術を融合し形質転換体の作出が困難なコムギでゲノム編集を1世代で可能にする新しい技術を開発することを目的とする。本年度は、アグロバクテリウムを利用したパールミレットの安定形質転換技術の確立を試みた。MS培地におけるスクロース、カルス化を誘導する2,4-Dの濃度を調節することにより、未熟種子だけでなく、完熟種子からでも再分化能を持つ白いカルスを得ることができることを確認した。また、カルスへのアグロバクテリウム形質転換を試みた。緑色蛍光タンパク質GFP遺伝子の導入によって、カルスの一部にGFP蛍光を検出した。しかし、まだパールミレットの安定形質転換を作出するには至っていない。安定形質転換を用いずに、直接、花粉にゲノム編集に必要なタンパク質(CAS9)と核酸(gRNA)を導入する試験もした。まず、花粉の卵細胞へのデリバリー試薬を検討した。その結果、パールミレットの花粉は、有機溶媒や、リポフェクション試薬に耐性があり、試薬中に花粉管を伸長することができることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パールミレットの完熟種子からの良質なカルスを得る培地条件を確立したものの、アグロバクテリウムを感染させたカルスより脱分化させ、形質転換個体を得るところまで至っていない。また、花粉へのゲノム編集に必要なCas9タンパク質とgRNAを導入するためのデリバリー試薬へのパールミレットの花粉耐性については確認したものの、実際にCas9とgRNAを導入することには成功していない。以上の理由によりやや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で、パールミレットの花粉がリポフェクション試薬に耐性があることを明らかにしたので、リポフェクション試薬によるgRNAと蛍光タンパク質(マーカー)の花粉管への導入試験を実施する。また、リポフェクション試薬によるgRNAの花粉管導入技術が確立されれば、Cas9タンパク質(ゲノム編集の際にgRNAを取り込み、標的DNAを切断する機能を持つ)を発現したパールミレット花粉を用意する必要がある。昨年度から引き続き、アグロバクテリウムによるパールミレットの形質転換技術の確立を目指す。そして、Cas9タンパク質を発現した形質転換パールミレットの作出に取り組む。
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