研究課題/領域番号 |
21K19167
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 渉 京都大学, 農学研究科, 教授 (30273519)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | アルギン酸 / 細菌 / 資源化 / 食品廃棄物 / 走化性 / 多糖 / ペクチン / X線結晶構造解析 / 細菌走化性 / バイオ燃料 |
研究開始時の研究の概要 |
2015年に国連サミットで17の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)が設定されている。日本政府もSDGsを達成すべく、具体的な実施指針が示され、その中に「食品廃棄物の削減や活用」が含まれる。本研究課題はこの開発目標を達成するため、細菌の走化性を活用した食品廃棄物(植物細胞表層多糖:アルギン酸とペクチン)からのバイオ燃料生産を目指す。
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研究成果の概要 |
植物細胞表層多糖(アルギン酸とペクチン)に資化性と走化性を示すSphingomonas属細菌A1株細胞は、食品廃棄物である褐藻類藻体やミカン果皮に対しても接近した。走化性発現に重要なA1株細胞表層ペクチン結合タンパク質は、ペクチン走化性のみならず資化性にも関与する二機能性を示し、ペクチンの鎖長に応じて分子内のドメイン開閉度を変化させた。走化性を発現するA1株細胞が褐藻類藻体とミカン果皮のそれぞれからバイオ燃料を生産することから、食品廃棄物として処理される加工残渣の新たな有効活用への途を拓くことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、これまでの低分子物質とは異なり、高分子物質(多糖ペクチン)に対する細菌の走化性発現に関わる新たな分子機構が明らかになった。特に、ペクチン結合タンパク質が基質のサイズに応じて親和性と結合様式を変化させることは、タンパク質の構造機能相関の観点から意義深い。また、アルギン酸とペクチンに対して資化性と走化性を示す細菌を用いて、食品廃棄物からバイオ燃料を生産できることが示されたため、循環型社会や脱炭素社会の形成[持続可能な開発目標(SDGs)の達成]に貢献できる。
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