研究課題/領域番号 |
21K19192
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
松林 誠 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (00321076)
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研究分担者 |
松尾 智英 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (50383667)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | クリプトスポリジウム / 寄生適応 / ゲノム解析 / 牛 / マウス / ワクチン / 弱毒 / 子牛 |
研究開始時の研究の概要 |
クリプトスポリジウムは子牛の消化管粘膜に寄生し、激しい水様性下痢を引き起こす原虫であり、現在も有効な駆虫薬、予防薬は開発されていない。また一方で、原虫の侵入や増殖プロセスは複雑であり、わずか数種の原虫分子による免疫付与では部分的な感染防除しか誘導されず、また効果的な粘膜免疫を惹起する方法にも大きな弊害がある。我々は牛由来株がマウスにも感染が成立する事、また数十代の継代によりその感染性および病態が変化することを見出した。寄生性および病原性の変化を全ゲノム解析により各責任遺伝子を決定し、宿主変換および馴化による非遺伝子操作による病原性減弱株の作出に挑戦し、粘膜免疫における新規惹起方法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、人獣共通感染症であり、特に子牛の下痢症の原因となっているクリプトスポリジウム原虫について、効果的に粘膜免疫を誘導する弱毒生ワクチンの創出に向け、他種動物として免疫不全マウスに繰り返し継代を行い、全ゲノム解析による多型および感染性の変遷を解析した。詳細な比較ゲノム解析は現在進行中であるが、マウスへの10代の継代により、感染性が上昇していることが確認できた。宿主変換により表現型が変化しており、今後の解析により、本原虫では初めてとなる寄生適応、さらには病原性に関わる責任遺伝子を発掘できる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人、そして特に子牛において、クリプトスポリジウムによる下痢症の予防法、そして著効を示す治療薬は未だ開発されていない。本研究により、国内の病原株を他種動物に繰り返し継代することで、感染性が変化することを見出した。今後、これら株間での全ゲノム比較解析により、寄生性や病態、さらに寄生適応に関わる責任遺伝子を世界で初めて同定できる可能性がある。これらの結果は、将来、病原性を減弱させた弱毒生ワクチンの創出につながると期待される。
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