研究課題/領域番号 |
21K19208
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加納 純子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10323809)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 染色体 / テロメア / 真核生物 / 原核生物 / 進化 / サブテロメア / クロマチン / 環状化 / テロメラーゼ / 組換え / 複製 |
研究開始時の研究の概要 |
生物界には、なぜ線状と環状という2種類の染色体形態が存在するのだろうか?この生物の根本を問う疑問に答えるためには、同一の生物種で線状と環状の染色体をもつ細胞を比較する必要がある。単細胞真核生物である分裂酵母の染色体数は、例外的に少ないため(3本)、大腸菌の染色体のように各染色体が「自己」環状化して安定化したサバイバー株を取得することができる。本研究では、様々な形態の染色体をもつ分裂酵母を用いて、染色体形態の違いによる細胞増殖への影響を解析し、染色体末端構造の重要性を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
一般的に、酵母などの真核生物の染色体は線状であり、大腸菌などの原核生物の染色体は環状である。生物界には、なぜこのような2種類の形態が存在するか、なぜ真核生物は環状染色体をもつことはないのか、という疑問を解き明かすため、染色体を3本しか持たない分裂酵母を用いて自己環状化染色体をもつ細胞を作製し、その表現型を詳しく解析した。その結果、環状染色体をもつ細胞は細胞分裂期において染色体が絡みやすく、それが原因で死にやすいことがわかった。さらに、トポイソメラーぜ阻害剤に対して高い感受性を示したことから、真核生物ではトポイソメラーぜが環状DNAに対して十分に機能していない可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真核生物と原核生物は同じ祖先から進化したと考えられるが、染色体の形態が決定的に異なる。本研究の成果はこの生命の根源に迫るものであり、多くの人の関心を引き寄せるであろう。また、ヒトの癌の一種に環状染色体を含むものがある。本研究によって、環状染色体をもつ真核生物が正常に増殖することができるように操作することができれば、その癌の治療にも役立つ可能性が期待される。
|