研究課題/領域番号 |
21K19218
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
寺嶋 正秀 京都大学, 理学研究科, 教授 (00188674)
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研究分担者 |
岡本 晃一 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (50467453)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | タンパク質 / 反応 / 時間分解 / 回折格子 / バイオセンサー |
研究開始時の研究の概要 |
分子間相互作用は、生命科学には不可欠な因子である。例えば、バイオインフォマティックス分野で中心的な役目を果たす重要なネットワークは、タンパク質間分子間相互作用マップと言うことができる。このような重要性のため、これまでにも多くのバイオセンサーが開発されてきたが、ほとんどの手法は高感度性がある一方で、反応機構研究に対しては遅いダイナミクスしか測定できないという大きな欠点があった。ここでは、プラズモン共鳴とTG法の原理を融合した、新しいバイオセンサーを開発する。この手法によって、超高感度バイオセンサーを作成し、その高感度性を利用してこれまでより高時間分解能で速度論的な議論を可能にする。
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研究成果の概要 |
本研究では、タンパク質分子間の相互作用機構を解明するための新しいバイオセンサーを開発することを目的とし、銀ナノ半球構造を回折格子状に並べた基板を作製した。この基盤からは、適度な強度の回折光が得られ、それを光検出器でモニターできることが分かった。次にこの基盤を、光を吸収する分子の溶液を入れたセルに密着し、溶液をパルスレーザー光で励起子したあと、回折光の強度が時間とともに変化することが見られ、ヘテロダイン過渡回折格子信号を観測することに成功した。また、銀ナノ半球構造体をポリマーで保護した基盤の作成を行い、溶液交換のできるバイオセンサーとしての性能を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子間相互作用は、生命科学には不可欠な因子であり、その検出のため、これまでにも多くのバイオセンサーが開発されてきたが、反応機構研究に対しては遅いダイナミクスしか測定できないという大きな欠点があった。本研究で開発したプラズモン共鳴と過渡回折格子法の原理を融合した、新しいバイオセンサーは、従来の手法以上の超高感度バイオセンサーとして、これまでより高い時間分解能が得られ、速度論的な議論が可能になる。これを用いれば、バイオセンサーの世界を一新するだけでなく、バイオインフォマティックスの分野も大きく変えるであろう。また、医学・薬学・化学・工学などに渡る非常に広い分野で使われるようになる可能性がある。
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