研究課題/領域番号 |
21K19234
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中條 岳志 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (50788578)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | tRNA修飾 / リボソームRNA / メチル化修飾 / i6A修飾 / RNA修飾 / メチル化 / トランスファーRNA / メッセンジャーRNA / タンパク質合成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、RNAの化学修飾(RNA修飾)を任意のRNAに配列特異的に導入する技術を開発します。この技術開発が成功すれば、トランスファーRNA修飾の破綻による2型糖尿病や知的障害などの様々な疾患をRNAおよび翻訳の段階で治療することに向けた基盤技術となります。さらに、この技術を応用することで、遺伝子のタンパク質コード領域上の終止変異をmRNA上で治すことにも挑みます。
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研究成果の概要 |
第一に、標的RNAに対するガイドRNAを2種類設計し、これらガイドRNAを発現する2つのプラスミドを構築し、培養細胞にそれぞれ導入した。これら細胞のRNAから標的RNAを単離してヌクレオシドの質量分析を実施した結果、標的RNAの標的箇所にメチル化を導入できたことが強く示唆された。 第二に、口腔がん細胞株SASと、その抗がん剤(5-FU)耐性株FR2-SASに関して、細胞培地に修飾ヌクレオシドi6Aを入れると、これら細胞で主にリボソームRNAにi6Aが取り込まれることを見出した。さらに、i6Aは特に抗がん剤耐性株FR2-SASへの殺傷能力が高いことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1番目の結果、つまり標的配列特異的にメチル基を導入できた結果は、遺伝子発現に介入する全く新しい原理の手法を開発できたことを示す。 2番目の結果、つまりi6Aを培地に入れると抗がん剤耐性細胞の一種がその親株よりも死にやすかった結果は、i6Aが抗がん剤耐性がんに対抗するための新たな手段となりうるかもしれない可能性を提示する。
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