研究課題/領域番号 |
21K19237
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
木下 哲 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (60342630)
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研究分担者 |
飯田 敦夫 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (90437278)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ゲノムインプリンティング / 胎生魚 / エピジェネティクス / 胎生魚類 / インプリンティング / インプリント遺伝子 / コンフリクト仮説 |
研究開始時の研究の概要 |
胎生発生する生物を対象とした学説では、母体内での胎仔の成長に関して、オス親の利益が自分の子供を大きくすることであるのに対し、メス親の利益は、栄養資源を節約し自分の子供を小さくすることであると説明される。この利害の対立から、オス・メス由来の対立遺伝子が、その子供で異なる発現を示すことが想定されている。本研究では、胎生を獲得したグーデア科の魚類を用いて、こうした対立遺伝子が存在するかどうかを検証する。
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研究成果の概要 |
ゲノムインプリンティングは、母胎内に子を宿す哺乳動物と被子植物においてその詳細が研究されているが、胎生発生する他の生物では殆ど知見がない。そこで本研究では、「栄養リボン」を通じて母体から栄養獲得するグーデア科胎生魚を対象とした。偽胎盤組織である「栄養リボン」からのRNA-seqによって、顕著に発現するCubam receptorの遺伝子を同定した。同受容体遺伝子の同定は、栄養リボンが消化管由来で似たような機能を果たしていることを示唆するものである。今後、引き続きインプリント遺伝子の検証をすることによって、ゲノムインプリンティングの多様性進化にも多大なる知見を与えると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでにインプリント遺伝子の研究は、哺乳動物や被子植物が主な対象となっており他の胎生発生生物における知見に乏しかった。今回グーデア科胎生魚ハイランドカープを用いて、母親のお腹の中で栄養リボンを用いて養分吸収を行っている可能性を見いだしている。インプリント遺伝子は胎生発生する生物種に保存され、子どもへの栄養供給を巡ってインプリント遺伝子が進化してきたと考えられている。本研究の知見から今後ハイランドカープからインプリント遺伝子を同定する重要性が高まった。
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