研究課題/領域番号 |
21K19248
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大橋 一正 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (10312539)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | テンションセンサープローブ / メカノバイオロジー / 力覚応答 / GFP / 細胞間接着 / テンションセンサー / 蛍光蛋白質 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞が機械的な力を感知して応答をする分子機構は、細胞に作用する機械的な力を簡便にモニターすることが困難なため多くの部分が不明である。本研究は、細胞に負荷される力を生細胞において簡便に可視化する方法の開発を目的とする。第一に、細胞内で張力が負荷された部位に集積する蛋白質を用いて張力負荷分布をモニターする方法を開発する。第二に、細胞に負荷される張力を受けて立体構造が変化して蛍光を失う蛍光蛋白質の変異体を作製し、これを細胞間、細胞-基質間接着蛋白質に組み込んだテンションセンサープローブを開発する。本研究の成果は、メカノバイオロジー研究に限らず、多くの研究の発展に貢献すると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究は、細胞に負荷される力を生細胞において可視化する汎用性の高いテンションセンサープローブの開発を目的とした。そのため、張力を受けて立体構造が変化し蛍光を失う蛍光蛋白質の張力センサーを作製すること試みた。蛍光蛋白質VenusのN末端とC末端にランダムな変異を導入した変異体ライブラリーを作製した。その変異体の中から、蛍光を保持しているが構造的に不安定な変異体を、熱安定性を指標に探索した。その結果、10万種類の変異体から5種類の温度感受性変異体を見出した。これらはテンションセンサーとして機能しなかったが、さらに変異体を探索することでテンションセンサープローブを作製できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、張力によって蛍光を失う不安定な蛍光蛋白質を作製し、簡便に細胞に負荷される力を可視化するテンションセンサー蛋白質の開発を目指した。そのため、力が負荷されることが予測されるGFPの部位をランダムに変化させ、その不安定さを温度に対する耐性で測定した。いくつか正常よりも低い温度で蛍光を失う変異体を見つけることができたが、テンションセンサーとしては機能しなかった。しかし、変異の導入で蛍光蛋白質が不安定になることが明らかになり、今後、目的の蛍光蛋白質の変異体が得られる可能性が示唆された。このセンサーが完成すれば、細胞が力に対して応答する分子機構を解明する重要なツールとなると期待される。
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