研究課題/領域番号 |
21K19271
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
太田 訓正 九州大学, 基幹教育院, 教授 (90244128)
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研究分担者 |
菅 裕 県立広島大学, 生命環境学部, 教授 (30734107)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | リボソーム / 形質転換 / 単細胞生物 / 多細胞生物 |
研究開始時の研究の概要 |
Capsaspora(カプサスポラ)はカタツムリの共生生物として単離された、単細胞生物の一種である。単細胞体と多細胞体のライフサイクルをとることから、真核単細胞生物が多細胞体に転換した分岐点に位置する生物の生き残りとされているが、多細胞化を誘引する機構は全く不明である。リボソームを単細胞生物カプサスポラ、Creolimax(クレオリマックス;カプサスポラと同様に単細胞・多細胞形態をとる)に導入して共生させ、動物に近縁な単細胞生物から多細胞生物への転換を実験的に再現し、多細胞生物進化の基本原理を解明する。
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研究成果の概要 |
申請者は原核細胞から真核細胞への移行を担っているのはリボソームであると考えており、リボソームを動物に近縁な原生生物(クレオリマックス)に導入し、その影響を調べた。 クレオリマックスを栄養分を全く含まないリン酸バッファーで培養し、リボソームを培養液中に添加した。数ヶ月後ほど培養を継続すると、線維芽細胞にリボソームを取り込ませたような細胞塊が形成された。クレオリマックスがこのような嚢胞を形成する現象は今まで全く報告されておらず、この結果はリボソームの形質転換機能によるものだと考えられる。今後、多細胞生物の特徴(細胞分化、細胞骨格、細胞間連絡構造)の誘導確認を行う予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クレオリマックスがリボソームを取り込むと、嚢胞を形成する現象は今までに全く報告されていない。我々の今回の結果は、リボソームの形質転換機能によるものだと考えられる。今後、動物に近縁なクレオリマックスにリボソームを導入することにより多細胞生物の特徴(細胞分化、細胞骨格、細胞間連絡構造)を誘導できれば、リボソームの新たな機能的一面を実験的に解き明かすだけでなく、多細胞生物進化の基本原理のひとつを明らかにできる。
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