研究課題/領域番号 |
21K19278
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 長浜バイオ大学 |
研究代表者 |
蔡 晃植 長浜バイオ大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00263442)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 植物の生育促進 / 光合成促進 / 塩化コリン / N-アリルグリシン / トランスクリプトーム / メタボローム / 遺伝子発現解析 / 乾燥重量増加 / オミックス解析 / 生育促進 / コリン / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
コリンを十分な無機肥料成分を含む培地に加え植物を生育させると、光合成が促進され生育も促進される。本研究では、コリンによって発現誘導される遺伝子や変化する代謝産物をトランスクリプトーム解析やメタボローム解析で明らかにし、遺伝子発現プロファイルと代謝プロファイルなどのデータを用いたオミックス解析を行うことで明らかになった重要遺伝子のノックアウト体と過剰発現体をゲノム編集法で作製し、コリンによる生育促進と光合成促進について解析することで、コリンによる光合成促進と生育促進の機構を分子レベルで明らかにする。これにより、コリンによって活性化される新規の生育制御系の存在を証明する。
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研究成果の概要 |
塩化コリンやN-アリルグリシンを様々な植物に処理したところ、乾燥重量が約10%から25%増加し、植物の光合成活性が約15%上昇することが示された。そこで、このような光合成促進と生育促進の関係を明らかにするために、光合成活性を有する培養細胞と光合成活性を有さない培養細胞を用いて調べたところ、コリンとN-アリルグリシンによる生育促進は光合成活性の促進に起因することが明らかになった。次に、塩化コリンまたはN-アリルグリシンによって発現変動する遺伝子をRNAseqで調べたところ、光合成の電子伝達系に関わる遺伝子が共通して発現上昇することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本申請研究によって植物の成長には14種類の無機元素だけでなく、塩化コリンやN-アリルグリシンなどにより活性化される生育促進経路が存在し、この生育促進が光合成の促進によって引き起こされていることが初めて明らかになった。この研究結果によって、新たな生育促進経路を活性化する有機物質を加えた無機・有機ハイブリッド肥料の作製が可能となり、生育促進と品質向上が得られる新しい農業を提示できた。
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