研究課題/領域番号 |
21K19310
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
桐生 寿美子 (瀬尾寿美子) 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (70311529)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 神経再生 / 神経損傷 / リプログラム / 運動ニューロン / プロテアソーム / AIS / 遺伝子発現制御 / タンパク質分解 / 神経変性 / ATF3 |
研究開始時の研究の概要 |
成熟運動ニューロンは神経損傷を受けても再生・修復することが可能である。これは損傷運動ニューロンが敢えて極性を放棄し一旦未分化な状態に逆戻りすることで潜在的な再生能力を賦活化する“セルフリプログラミング”を行うためではないかと考えられる。本研究では、このような損傷運動ニューロン幼若化のための遺伝子発現制御機構をゲノムレベルで網羅的に探索し、神経再生へのポテンシャルを獲得する仕組みを明らかにする。
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研究実績の概要 |
成熟運動ニューロンは神経系の中では例外的に神経損傷を受けても再生・修復することが可能である。損傷運動ニューロンには、一旦未熟な状態に逆戻りすることで潜在的な再生能力を賦活化する“リプログラミング”機構が備わっていると考えられる。このリプログラミングを促すためゲノム、転写、タンパク質レベル、細胞間相互作用に至るまでダイナミックな変動が引き起こされると考えられるがその詳細は不明である。研究開始当初は遺伝子発現制御が神経再生・変性の変換点になると考え研究を進めていたが、意外なことに生死の運命に関わらず神経損傷に応答した運動ニューロンは遺伝子発現レベルでリプログラミングプロセスを一旦は始動させる可能性が示唆された。そこで遺伝子発現制御以降に続くプロセスとしてタンパク質制御に着目し、その要であるプロテアソームによるタンパク質分解について検討を加えた。損傷運動ニューロン特異的にプロテアソームを欠損できる独自のマウスシステムを用いることでこれが可能になった。その結果、損傷運動ニューロンは軸索起始部(AIS)タンパク質をプロテアソームにより積極的に分解することで細胞体から軸索へのミトコンドリア流入を増やすことが明らかになった。これは神経再生に必要な十分量のエネルギーを確保するための新たな仕組みである。AISは成熟ニューロンの特徴であることから、AIS分解により運動ニューロンは未熟な状態に逆戻りすることになると考えられる。従ってこの研究で、損傷運動ニューロンのタンパク質レベルでのリプログラミングが明らかになったと考えられる。遺伝子発現制御レベルでのリプログラミングに関しては、別の時間経過や特定のゲノム領域に特化して引き起こされる可能性も十分考えられ、今後の課題として残された。
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