研究課題/領域番号 |
21K19335
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋本 均 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (30240849)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 3q29 / 発達障害 / 全脳 / オキシトシン / 全脳イメージング / 自閉症 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症は、社会性行動等に障害が認められる頻度が高い神経発達障害の1つである。病態の分子メカニズムはほとんど不明であり、多数の患者を説明できる明確な分子病因は同定されておらず、また中核症状に対する治療薬は存在しない。本研究では、申請者が独自に開発した「妥当性の高い」ヒト型自閉症モデルマウス群の薬物投与による自閉症様行動異常を回復させるという知見に基づき、社会行動の制御に関わる個々の神経細胞を薬理学的に同定、分類および解析するというこれまでにない「単一細胞レベル」のイメージング薬理学を推進する。本研究の成功により、「創薬に直結する」これまでにない成果を得られると期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、全脳全細胞イメージング法を用いて、妥当性の高いヒトの3q29領域欠失部分に相当する染色体領域を欠失した3q29欠失マウスを用いて、社会性行動異常を引き起こす分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。その結果、オキシトシンシグナルの障害により社会性行動異常が引き起こされることを見出した。また、聴覚野を含む過剰な活性化がその背景にあることを見出した。これらの成果は、我々が推進してきたバイアスをかけない脳全体のシングル細胞レベルの神経活動マッピングを用いたイメージング薬理学が、脳高次機能異常の分子基盤を明らかにするうえで有用であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自閉スペクトラム症の中核症状である社会性障害の「治療薬の開発に直結する」分子病態をシングル細胞レベルで明らかにした本研究の成果は、神経発達障害である自閉スペクトラム症の病態を「大人になった後でも」治療を可能にする薬物・戦略の開発に資するものであり、社会的急務の中枢疾患の解決を加速する点で学術的・社会的意義が大きい。
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