研究課題/領域番号 |
21K19363
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
田中 元雅 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (40321781)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 翻訳 / リボソーム / tRNA / コドン / プロファイリング / 揺らぎ塩基 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、同義置換によって翻訳速度が変わることで、合成最中のタンパク質のフォールディング構造や機能、ひいては高次機能まで変化しうることことが示唆されてきた。しかし、翻訳における揺らぎ仮説の実態は、その解析技術がなかったため、これまで十分に理解されていない。本研究では、揺らぎ塩基の詳細を調べるための実験系とバイオインフォマティクス解析のための技術基盤を確立することで、「揺らぎ仮説」の実態解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、翻訳中にあるリボソームを単離し、そのリボソームが取り込んでいる揺らぎ塩基を調べるための実験系を確立し、新たなバイオインフォマティクス解析技術の開発と合わせた基盤技術の確立から、揺らぎ塩基の実態解明を目指している。本年度は、リボソーム内mRNAのコドンとtRNAアンチコドンを高精度に決定するための試料調製やライブラリー作成条件の最適化をさらに進めた。また、リボソームによって翻訳される通常のコーディング配列(CDS)だけでなく、非翻訳領域のmRNAに存在するupstream ORF(uORF)やノンコーディングRNAについても、実際に翻訳されているかどうかを明確に判断できる解析手法を確立させた。それによって、通常のmRNAにおけるCDSだけでなく、より幅広いRNAに対して、mRNAおよびtRNAのバイオインフォマティクス解析から翻訳の詳細を明らかにできた。さらに、若齢および老齢の動物の海馬を用いて、これまでに開発してきた各種バイオインフォマティクス手法から詳細な翻訳解析を進めた。その結果、老齢では、RNA分解による翻訳の障害が顕著に生じていることを見出した。また、このような現象が、細胞内の酸化ストレスなどによる翻訳障害でも生じることを新たなバイオインフォマティクス解析から見出した。さらに、このような細胞内ストレスによって、リボソームに取り込まれたtRNAの種類や揺らぎ塩基がどのような影響を受けるかを解析する実験系をほぼ確立させることができた。
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