研究課題
挑戦的研究(萌芽)
精神、心理状態の変化が身体に影響を及ぼすことは経験的にも知られているが、その分子機構は解明されておらず、それを客観的に評価できるバイオマーカーは存在しない。さらに、好ましくない環境や逆に楽しい環境などさまざまな心理状態が脳内でどのような神経回路を形成し健康や病気に影響するのかもほとんど理解されていない。これらの解明は現象が複雑であるがゆえ非常に挑戦的な研究課題であるが、G反射という申請者の独自の発見である観点に絞ってアプローチすることで精神、心理状態の変容と病気の関係を捉えられる可能性は高い。また、病気に関連する精神、心理状態の変容のヒトバイオマーカーが開発されれば、病気、病態の予防に繋がる。
ストレスゲートウェイ(SG)反射病態モデルを用いて、ストレス依存的に高発現する5種類の膜・可溶性分子を同定し、特異抗体の脳内投与でストレス依存性病態をほぼ完全に抑制することに成功した(US 17/271300, 特願2020-539659, EP19855524.5 特許出願中)。また、1種類の分子については、既にSG反射病態を抑制できるモノクローナル抗体を樹立し、将来的な臨床応用に繋ぐ道を開いた。さらに、ケモジェネティクスを用いたSG反射の再現に加え、関節リウマチの左右対称性炎症を説明しうる遠隔炎症G反射の発見、およびストレス依存的な中枢神経ループスの発症機序の一端も解明することができた。
本研究を通して、ストレス依存性病態の分子機構の一端の解明や、病態制御に関与する分子群を同定することに成功した。今後、これら分子の病態形成機能を明らかにしつつ、ストレス依存的に末梢血中で産生が増強される分子群を同定することで、疾患を早期に診断・治療できる新規のストレスマーカーや治療標的の開発が期待できる。
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