研究課題/領域番号 |
21K19403
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
淺原 弘嗣 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70294460)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | RNA binding protein / breast cancer / cancer stem cell |
研究開始時の研究の概要 |
乳がんは、日本で年間9万人以上が罹患する、女性において最も頻度が高いがんである。中でもトリプルネガティブ乳がんは乳がん全体の約20%を占め、他のタイプの乳がんと異なり、十分な治療法が確立されていないため、予後不良な疾患である。本研究では、このトリプルネガティブ乳がんの病態をあらたな切り口から解明し、その知見に基づく新しい治療法の開発を行うものである。
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研究成果の概要 |
難治性の乳癌subtypeであるトリプルネガティブ乳癌の治療抵抗性を特徴付ける細胞集団として癌幹細胞が知られている。我々は乳癌幹細胞集団に特異的に発現しRNA階層で癌幹細胞性を特徴づけるRNA結合タンパク質としてRBD24を同定した。 RBD24は各種遺伝子mRNAの3’UTRのcis-elementsを介して標的mRNAを安定化し、腫瘍形成能や薬剤抵抗性の獲得に寄与することを明らかにした。また、RBD24の発現を制御する転写因子としてZEB1が同定され、RBD24とZEB1がRNA階層と転写階層とを結びつけるポジティブフィードバックを形成することが腫瘍形成に重要であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難治性で知られるトリプルネガティブ乳癌は抗癌剤に対して治療抵抗性を有し、有効な治療標的を持たないことから新規治療標的の探索が求められてきた。今回の研究成果はRBD24がトリプルネガティブ乳癌治療における新規治療標的となりうることを示唆するものである。また、RNA階層における癌の進展の制御の重要性を示しており、今後RNA階層を標的とした核酸医薬等による新規治療戦略の創出が期待される。
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